75年の歴史を持つアラインテックは、ロボットシステムや先端産業製造装置そして医療機器などの技術開発を行うモノづくり企業。特許取得をこれまで行っていたが、専門家によってある指摘を受ける事に。その理由は?〈令和6年度制作〉
開発ストーリー
「特許」取得の際にまさかの指摘が!
創業75年の歴史を持つこちらの会社は、ロボットシステムや先端産業製造装置そして医療機器などの技術開発を行うモノづくり企業。常に先進的な技術開発・イノベーションが求められ、あらゆる生産設備の自動化、生産プロセスの確立を実現するモノづくりを行ってきた。
特許取得についても、これまで行ってきたが、ある製品の特許取得について、専門家から指摘があった。特許調査を行っていたのに・・・
製品の機構は違うのに、目的がほぼ一緒ということで、特許明細に広い範囲の用語を使用したら他社の特許に引っかかってしまった。他社との特許技術に対する侵害調査をしていなかったのが原因。
IPランドスケープ支援事業では、営業秘密管理教育、情報管理教育などの支援を受けた。社内体制整備のため、専門家を活用して職務発明規程の策定などの支援も受けた。その結果、社内の開発部の設置や、規程類の整備がすすみ、開発力・知財力が強化された。
解説者による「成功ポイント」の紹介
IPランドスケープ支援事業の活用
社名変更を契機に、自社の開発力・知財力強化のために、特許庁のハンズオン支援を受けることになり、INPIT山口県知財総合支援窓口で支援を引き継ぎました。
アラインテックは、特許庁の産業財産権専門官による、全社員向け知財セミナーにより知財への気づきを得ていたので、引き続き、INPIT知的財産戦略アドバイザー(現 : INPIT知財戦略エキスパート)により、営業秘密管理教育、情報管理教育などの支援を行いました。また社内体制整備のため、専門家を活用して職務発明規程の策定の支援も行いました。さらに、2023年度、INPITが実施しているIPランドスケープ支援事業を紹介し、無事採択。特許取得の経験のあるアラインテックは、特許調査を行っていたものの、今回、新しい分野の製品開発だったために、調査範囲や侵害調査という点で十分な調査になっていませんでした。
その点について専門家が「用途は違うものの類似した動作など」も調査を行い、その結果をもとに特許取得に結び付けることが出来ました。
特許出願についても、国内・海外への出願がすすみ、事業戦略に貢献しています。これらの成果が実り、大手企業からの受注も増加してきています。
IPランドスケープ支援事業は、単に侵害調査や、クリアランス調査がゴールではなく、調査結果を生かして、新たなイノベーションを生み出すことが、本来の目的です。
今回のアラインテックの事例は、このことを見事に成し遂げられた、素晴らしい事例と言えます。
小柳 正
INPIT山口県知財総合支援窓口 支援担当者
大手化学会社を定年退職後、研究開発で知得した特許の経験を活かし、知財管理技能検定1級(特許専門業務)を取得。その後、中小企業の知財活用支援から、意匠や商標の必要性を感じブランド専門業務1級を取得。知財総合支援窓口として、約15年間従事。
中小企業が、自力で知財活動ができるように、人材育成や社内体制づくりを支援している。