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もうけの羅針盤

開放特許を活用し新規事業参入を果たす~公的機関の知財支援が開発を加速させる~

大手の開放特許を活用し自社製品開発に成功。建設コンサルタントが医療現場の課題解決する製品開発へ<平成30年度制作>

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この知財の開発元

株式会社ジーアイシー

鳥取県倉吉市東巌城町125番地

https://www.gicon.jp/

電話番号0858-23-3553

代表担当:代表取締役 田栗 信昭

開発ストーリー

大手の開放特許との出会い!

創業以来、ジーアイシーは、公共事業に伴う測量や災害に役立つセンサーなどを開発してきた。そのセンサー技術を活かし開発した製品に大型獣類の検知システムがあった。地元の新聞に取り上げられ、その記事を見た病院関係者から「患者の見守りができるシステムの開発をして欲しい」と依頼があった。自社のセンサー技術を使えば容易に開発できると考えていたが、患者の寝返りだけでセンサーが反応し誤作動をおこすなど問題があり、開発はうまく進まず、3年が経過してしまった。 そんな時に出会ったのが。富士通の特許技術だった。ジーアイシーの田栗社長は、鳥取県産業振興機構・知的所有権センターが主催した「知財ビジネスマッチングin とっとり」に参加。富士通の開放特許と出会ったのです。

知財ビジネスマッチング会in とっとり!

大手企業が保有する特許には、有望な技術でありながら市場規模や事業戦略等の理由により、事業化が見送られた特許が存在します。今回大手企業が持つ特許を活用し中小企業の新たな事業展開に繋げることを目的に行っているビジネスマッチング会。
各県で知的財産に関するセミナーやビジネスマッチング会など定期的に開催しています。

開放特許の利用メリット!

ジーアイシーの田栗社長は、開放特許を利用したメリットについて、次のように話します。
①基礎技術の開発コストが少ない
②大手企業の技術的・人的支援を受けられる
③大手企業の信用力・ブランド力を利用できる

新製品開発で利用した公的支援!

  • ●鳥取県知的所有権センターの活用
  •  ・鳥取県知財ビジネスマッチング
  •  ・特殊技術保有会社とのマッチング
  •  ・人材とのマッチング
  • ●鳥取県産業振興機構の技術支援
  • ●鳥取県産業技術センターの技術支援
  • ●鳥取県経営革新計画
  • ●鳥取県CMX2
  • ●鳥取県人財バンク
  • ●鳥取県トライアル発注精度

成功ポイント

「ブレークスルー」のきっかけとなる「知財ビジネスマッチングin とっとり」との出会い、まさにこれがジーアイシー様の成功のポイントです。

田栗社長は、自社開発した熊検出システムを人の離床起床検知に利用できないかとの相談を病院関係者から受け、開発を試みますが、そのシステムでは誤検知が多すぎて商品化できませんでした。田栗社長の頭の中には、常に、その「課題解決となる技術開発」があり、アンテナを張り巡らしていました。

そこでの「知財ビジネスマッチングin とっとり」との出会い。

「知財ビジネスマッチングin とっとり」は、広く参加者を募って、複数の大企業が開放特許(技術シーズ)を県内企業の参加者にプレゼンし、希望があれば大企業との個別面談に応じるものです。この「知財ビジネスマッチングin とっとり」は、(公財)鳥取県産業振興機構 知的所有権センターが開催しますが、その後のフォローが本番となります。具体的には秘密保持契約、特許ライセンス契約の支援、他の支援機関と連携した設計開発・量産化の支援、具体的には、公設試、金属加工、樹脂加工に強い県内企業を紹介したり、また、開発資金捻出のために補助金獲得の支援をしたりします。時には、特定の技術に強い専門家を派遣することもあります。更には、販路開拓も支援し、県内企業の皆さんが開発・生産した商品が売り上げに繋がるまで一緒になって走ります。

さて、大企業に紹介していただく開放特許については、自社で実施されなかった特許が大半を占めますが、その中でも大企業の試作や実施の実績のあるもの、大企業の市場規模に合わず断念したものがあり、リソースの少ない中小企業にとってとても魅力的なものが沢山あります。「知財ビジネスマッチング」のような様々な知財支援策は、各県の公的機関等で行われています。是非、皆さんも活用し「ブレークスルー」のきっかけの1つにして下さい。

山本 明良 公益財団法人 鳥取県産業振興機構 知的所有権センター

山本 明良

センター長

公益財団法人 鳥取県産業振興機構 知的所有権センター

1983年4月 鳥取三洋電機(株)入社後1993年11月弁理士資格取得。鳥取三洋電機(株) 知的財産部 部長、パナソニック (株) 知的財産センター 三洋電機IPオペレーション推進グループ グループマネージャー 等を経て、2014年4月より (公財)鳥取県産業振興機構 知的所有権センター センター長に就任。