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もうけの羅針盤

優良経営企業の一本足打法からの脱却~新規事業篇~

プレス加工会社が1つの事業だけに依存していることに違和感を感じ続けていた。中小企業診断士に相談し渡された「経営デザインシート」。それによって新規事業の立ち上げに成功。一体どのようにして、新規事業の立ち上げに成功したのか。〈令和3年度作成〉

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セミナーアーカイブ

もうけの花道動画を活用して行った経営者・中小企業支援者・支援機関・金融機関向けに開催したセミナーアーカイブです。

優良企業の一本足打法からの脱却 ~新規事業篇~

この知財の開発元

大進プレス有限会社

静岡県伊豆の国市韮山多田

http://daishinpress.com/

電話番号055-949-0196

代表代表取締役 内田成彦

開発ストーリー

人と人とのつながりを重視した宿泊施設「Pagurus Nature and Camp鹿島」

静岡県牧之原市。鹿島ビーチの入り口に自然が好きな人NatureLOVERSを対象にした宿泊施設、Pagurus Nature and Camp鹿島が2021年オープンした。
コンセプトは「ヨコ乗り×繋がり×拡がり」。
サーフィンが大好きな社長が、多彩なバックグラウンドの人々が、世界中から集い、普段のコミュニティーとは異なる関わり合いの中で個人個人が価値観や人生の選択肢を広げてもらいたい。新しいサーフサーフィンの文化が出来ればとOPENした。ホテルや旅館とは異なり初対面の宿泊者同士や地域の人々などのつながりを重視した共用空間、共有リビングにし、パブリック性の高い宿となっている。

一本足打法からの脱却

「Pagurus Nature and Camp鹿島」。実は、金属プレス加工でモノづくりを行う大進プレス工業有限会社が新規事業として立ち上げた宿泊施設。
創業50年を越え、安定経営を続けてきた大進プレス工業有限会社。現社長の内田さんが1つの事業だけに依存していることに長年違和感を持ち続け、中小企業診断士の五島さんに相談したことからプロジェクトはスタート。新規事業として成功したのだ。

経営デザインシートとローカルベンチマークを活用

本格的に取り組み始めたとき、内田社長は中小企業診断士の五島さんから渡された1枚のシート。それは「経営デザインシート」。最初は、このシートは自分には必要ないかな。これが自分の経営に役に立つのかなと。疑問しかなかった。しかし、五島さんのアドバイスを元にこのシートを書き上げ想いを文字にしていくことで、想いを伝えられるものにでき、そして、その想いを実現するために何が必要で、何をすべきかが見えてきた。
五島さんは、未来に向けた経営のデザインには、経営デザインシートを活用。
その想いを実現するため経営者がさまざまな視点から自社の現状を把握する必要があるとしてローカルベンチマークも行いました。
中小企業診断士の五島さんは、次のように話します。
「どちらのツールもテーマは、【対話と傾聴】。経営課題のケースによって、経営デザインシートとローカルベンチマークを使い分けたり一緒に使ったりしていると話します。特に価値デザイン社会の実現ということで、脱平均、融合、共感という3つのテーマが取り上げられていますが、まさにこれを具体的に実現するための手法が経営デザインシートを作成することで明確になる。」

成功ポイント

内田社長自身が長年抱いてきた単一事業に対する不安を解消すべく、経営デザインシート(以下KDSとする)を活用したバックキャスト思考による将来の事業の柱づくりを行った事例である。

これまで業績不振で困っておられる会社がKDSを活用しビジネスモデルを変更もしくは新しい分野へ進出した事例はよく目にしたが、当社のように本業が順調であり、ある意味困っていない会社がKDSを作成、新事業展開した例は珍しいのではないだろうか?

最初に作成したKDSではローカルベンチマーク(以下ロカベンとする)を活用し「これまで」を把握した上で「これから」の在りたい姿を構想したため、現状に囚われたフォアキャストの考え方に陥り、KDSが目的とする経営者の内発的動機による将来構想には至らなかった。

そのため再度KDSを作成、今度は内田社長に寄り添い傾聴することで「これから」の在りたい姿を構想し「これまで」をロカベンにより再度把握することで、「これから」を実現するために何をすべきかの移行戦略を策定できた。

結果として既存事業は最初に作成したKDSのもとに磨き上げを行い大変好調であり、次に作成したKDSでは全く異なる分野への新規事業展開を実現した。加えて当社の強みを引き寄せる新しい事業への予期せぬ拡がりも見えてきたことに内田社長は驚きと共に将来性を感じワクワクしている。

五島 宏明

ヒロパートナーズオフィス 代表
ビジネスプロデューサー
中小企業診断士

https://hiro-partners.com

子供服屋の三代目社長として、小売業からSPA(製造小売業)へ業態転換しオリジナルブランドFiveKids(商標取得)を生み出したが、少子化やSC間競争に巻き込まれ会社は倒産。その後、中小企業診断士の資格を取得し自らの失敗を教訓にブランディングプロデューサーとして価値デザイン社会の実現を目指している。現在は、経営デザインシートを活用したビジネスモデルの変革を主軸にリアルとオンライン共に経営相談やセミナー及び講演を開催している。