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ユニット化で年間売り上げ8億円増
ガソリンスタンド施工請負を行なっていたヒロテツ工業が発明した特許技術は現場の施工を容易なものとした。今や全石油メーカーが採用する製品の社長が明かす発明秘話。<平成20年度制作>
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ニーズある発明!きっかけは自らが楽をするため
ヒロテツ工業は、もともとガソリンスタンドの建設工事を請け負っていた。ガソリンスタンドの建設工事は、納期までが短いため、多数の業者が同時に出入り、そのうえ現場は、【きつい、きたない】の過酷な状況になりがちだった。また、側溝を設置するためのレベル合わせなどの作業は、職人の微妙な采配で行なわれ、非常に手間のかかるものだった。そんな作業現場を約10年経験した泉社長が、「自分自身が楽になりたい」という思いから開発したのが、【ヒロテツ小溝】だった。
販路開拓の工夫が大きな成功の鍵に
特許を取得し、一番苦労したのは、販売ルートの確立だったと、泉社長は当時を振り返る。当時10名程度の従業員だったヒロテツ工業には、独自で販売網を確立するのは容易ではなかった。そこで考えたのが、「大手石油メーカーに認めてもらい、メーカー指定品にしてもらう」という事だった。泉社長は、自らサンプルを持って大手石油メーカーに直接売り込みを行った。敷居は高かった。しかし、「製品の良さが伝われば必ずや売れる」という思いを胸に、売込みを続けた。サンプルの提示、実際に施工を行なっているビデオを見てもらうなど、売り込み方を変えながらメーカー側の感触を探っていった。最終的に、メーカー担当者に「これは良い」と製品の価値を認めてもらい、採用に至った。それ以後、この大手石油メーカー系列のガソリンスタンド施工が行なわれる際には、排水溝に「ヒロテツ小溝」が指定で使われ、自ら売り歩くことなく、商談が舞いこんでくるという仕組みが確立された。
築き上げた信頼がニーズを引き出し、さらなる開発に
大手石油メーカーに認められ、信頼関係を築き挙げたことで転がりこんできたのは、大手石油メーカーからのニーズだった。泉社長は、築いた信頼を失うことのないよう、そのニーズに応えることのできる製品を必死になって発明したという。「お客様からのニーズに応えただけです。」と泉社長は話す。しかし、その姿勢がより深い信頼関係を築き、その信頼関係が競合他社の参入を防ぎ、同時に、売上にも繋がるというプラスの連鎖を生んでいる。
泉社長の発明は、アナログ、からくり
泉社長が考える発明品は、決して高度なIT技術などを駆使したものではない。ゼンマイ・ねじ・形状・素材などの特徴を利用した、誰でも発明できそうなからくり技術。決して派手なものではなく、ほとんどが地味な金物。実際に目にしてみると、「えっこれですか」と思うほどの単純さに驚かされる。