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食品業界で注目を浴びる鉄工会社!
鉄工会社の売上7割を占めるのは、なんと食品部門。自社の保有する技術を異分野に転用したことで、新たな事業が広がり、今やこの企業を支える主力製品にまで発展したという。<平成21年度制作>
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食品業界で大変な注目を集める企業「瀬戸鉄工」
鉄工所でありながら、今や、全体売り上げの7割を占めるのは食品部門。その原動力となったのは、実は18年間ものロングセラーが続く、まるで紙のような煎餅だ。瀬戸内特産の"イリコ"を加工したものだが、その薄さ、なんと0.2mm以下。
開発のきっかけは、ある新聞の記事だったという。 『ボールを蹴っただけで骨折!』。この記事を目にした先代社長が、「カルシウムをたくさん含むイリコを何とか食べやすい形に変えられないか・・・」と思い立つことに端を発する。先代社長のモノづくりにかける情熱が、この煎餅を生み出したのだ。
自社の保有するプレス技術を異分野に転用
イリコをプレスしてみたら煎餅のようになった・・・。「食べやすい」カタチの手ごたえを感じ、開発が始まる。およそ2年の開発を経て誕生したのが「瞬間高温高圧焼成法」だ。1秒~3秒という短い時間で食材をプレスしながら、高温で芯まで焼き上げ、更にその成分を中に閉じ込めるという画期的な技術の開発に成功。
近年、更に進化を遂げ、広島特産の牡蠣や大豆、カボチャなど、硬質な食材や穀物などを大量にプレス加工する技術を開発。今や自社商品は50品にまで増えている。技術は益々進歩し、野菜などのデリケートな食材も鮮やかな色を残したまま加工することも可能となった。更に、「瞬間高温高圧焼成法」で加工した食材は、組織レベルが微細に裁断されることで、栄養分の溶出効果が高まり、同量の原料でも早く濃いダシを取ることが可能であることも判明。一石二鳥以上の商品が完成したのだ。
異分野である食品業界、販路開拓のために
"鉄工所"で、よい"食品"を作ることが出来た・・・。しかし、食品業界は未知の世界。
「一体どのようにして販路を広げていけばいいのだろうか?------」。
異分野である食品業界、販路開拓のために
"そこで、食品事業部部長の上田さんが大切にしたのは、人との出会いだった。あるフレンチのシェフと出会ったことから、商品開発が飛躍的に展開。"イリコの煎餅"はどんどん進化を遂げ、地域ブランド、ご当地グルメ誕生へと発展、その活躍の場を広げていったのだ。平成21年1月には、国から「地域産業資源活用事業に係る認定」を受けた。
現在広島はもとより、北海道からも特産品を使ったお土産品の開発を手がけるなど、全国各地から試作品の依頼が相次いでいる。広島の小さな鉄工所の技術は、画期的な食品加工技術として、全国から熱い注目を浴びている。