地域でのインパクト投資実践に向けた実証事業の成果を公表します

令和7年4月11日
中国経済産業局 地域経済部
イノベーション推進課

課題先進国といわれる我が国において持続的な経済成長を実現するためには、社会課題を成長のエネルギーと捉え、解決していく仕組みを経済社会の中に組み込んでいくことが求められています。

例えば、社会的・環境的課題の解決や新たなビジョンの実現と、持続的な経済成長をともに目指すスタートアップ「インパクトスタートアップ (以下、ISU)」の活躍が期待されており、ISUに対する資金面での支援検討が我が国全体でも進むなど、地域・社会課題をビジネスの目線で解決していくことが推進されています。

こうしたなか、中国経済産業局では、ISU(候補を含む)へのインパクト投資※を実際に実践検討していきたい地域の投資家・事業会社が、投融資スキームへのインパクト評価・測定を取り入れ、リスク・リターン・社会的インパクトを投資実行の検討軸としていくために必要な整理事項・投資実行の前後で必要となる起業家への支援内容などを調査し、地域におけるインパクト投資の実践に向けたポイント整理を行い、報告書と地域でのインパクト投資実践に向けた手引きを作成しましたので、公表いたします。

本事業の成果を活かして、特に国内各地域の投資家をはじめとする資金供給の担い手が、より具体的な地域インパクト投資の実践に取り組む契機を創出し、ISUへの投資促進に向けた機運を醸成していきます。

※インパクト投資とは:

今回の事業では、「経済的リターンと並行して、ポジティブで測定可能な社会的および環境的インパクトを同時に生み出すことを意図する投資」と定義しています。
この際、「投資」のなかには投資(株式・債券)、融資、リース等、金銭的リターンを求める一切の金融取引を含めます。

事業の内容

地域において、ISU(候補を含む)へのインパクト投資を実践検討したい投資家・事業会社を合計4者発掘し、投資実践検討者として各者が抱える課題をヒアリングしつつ、投融資スキームへのインパクト評価・測定の取り入れ検討を行い、将来の地域インパクト投資実践に必要な課題の分析・課題解決方法の整理を行いました。

課題分析・整理の結果明らかになった解決すべきポイントについては、実践検討者が希望する国内他地域の有識者とマッチングし、意見交換を行って課題解決のために必要な方策を検討するなどして、インパクト投資実践に向けた課題解決の手法を明らかにしていきました。

その後、本調査結果を活用した国内複数地域(大阪市・岡山市・福岡市)での成果広報イベントを開催して、各地域でのインパクト投資実践に向けた機運醸成を図りました。

本公表では、一連の事業成果報告書とともに、今後地域においてインパクト投資を実践していきたい地域金融機関・投資家等の検討の参考としていただくための手引き資料も作成しましたので、是非ご覧いただければ幸いです。

事業成果報告書・手引きはこちら

(参考)本事業内での投資実践検討者・有識者

投資実践検討者一覧

投資実践検討者一覧
企業名 本社所在
株式会社ちゅうぎんキャピタルパートナーズ岡山県岡山市
株式会社広島ベンチャーキャピタル広島県広島市
株式会社Ryobi AlgoTech Capital東京都港区
※出資者が岡山市に所在する両備システムズであるため、中国地域の資金提供者とした。
西日本旅客鉄道株式会社大阪府大阪市
※中国地域での出資事例を想定したインパクト評価・測定の取り入れ検討を実施した。

有識者一覧(敬称略)

有識者一覧(敬称略)
意見交換を実施した実践検討者 有識者名 所属
株式会社ちゅうぎんキャピタルパートナーズ青木 武士 株式会社キャピタルメディカ・ベンチャーズ
加藤 有也 一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)
松崎 光弘 株式会社エーゼログループ
株式会社広島ベンチャーキャピタル高塚 清佳 インパクト・キャピタル株式会社
株式会社Ridilover
山中 礼二 一般財団法人KIBOW(KIBOW社会投資ファンド)
株式会社Ryobi AlgoTech Capital石田 ともみ 株式会社環境エネルギー投資
瀬尾 萌 JPインベストメント株式会社
西日本旅客鉄道株式会社工藤 七子 一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)
田淵 良敬 株式会社Zebras and Company
小崎 亜依子 一般財団法人公益活動連携機構(JANPIA)

【このページに関するお問合せ先】

中国経済産業局 地域経済部

イノベーション推進課

電話:082-224-5680

メールアドレスbzl-jsta-west@meti.go.jp


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