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もうけの羅針盤

意匠権で機能性を保護!自社技術を守る

土木建設工事のお困りごとを解決した特許製品!改良した部分の意匠権を取得した理由は、製品の機能性をアップしながら、自社技術を守るためだった。〈令和元年度制作〉

目次
開発ストーリー
解説者による「成功ポイントの紹介
関連動画

開発ストーリー

大型土のうのパイオニア!瞬作®

もともと鉄道保守などの仕事を請け負っていたちふりや工業。現社長の岩下芳人さんが会社を引き継いでからアイデア商品を開発・販売する会社に事業転換を行った。
工事現場のあったらいいなをカタチにという思いから様々なアイデア商品を製作してきた。
そのひとつが、瞬作だ。これまで1トンの土のうを作るために、3~4人がかりで1日50個作るのが限界だったが、瞬作を使えば2人で1日に150個作ることが可能になった。

特許権、意匠権などを活用し自社技術を守り、攻める!

開発したアイデア商品は、特許権、商標権、意匠権、実用新案の取得を積極的に行っている。
模倣品の被害を防ぎ、オリジナル製品メーカーとして、価格競争の波に飲み込まれてしまわないためだ。 従業員わずか6人の企業で大手メーカーや商社と対等に商談できるのも、知的財産を取得しているからだと岩下社長は話します。

中小の製造業にこそ身近な権利「意匠権」

10年以上前に特許を取得していた瞬作。現場の声を聞き、より機能性をアップした改良を考え、その改良点について意匠権を取得した。特許の権利期間は、20年。特許がきれると模倣品が一気に市場に流れ込んでしまう。それを避けるためには、瞬作の権利を長く維持していく事が必要だった。そこで岩下社長は、意匠権の取得をしたのだ。岩下社長は、意匠権について
「出願費用が特許に比べて安く、特許のように色々複雑な書類を作成しなくてもシンプルでわかりやすく権利化できるっていうのが一番の特徴。意匠権になるまでの期間がすごく短いのもメリット。中小の製造業にこそ活路がある身近な権利だと考えている。」
と、今後も意匠権の活用に力を注いでいくと力強く語った。

この事例の企業

有限会社ちふりや工業

山口県山口市陶1928番地

http://chifuriya.com/

解説者による「成功ポイント」の紹介

経営戦略において自社商品の独占的優位性を維持し、収益性の高い商品を長く保護する方策と共にその時々の変化に応じて改良ややり方を早く柔軟に変えていく経営判断が必要です。
今回取り上げた大型土のう制作治具「瞬作®」は工事現場の土のう制作の生産性を飛躍的に向上させる優れた治具。国土交通省のNETIS登録もされ市場シェアも高く、 当社の事業の根幹となる商品となっています。商品は特許登録・商標登録しており、市場に浸透している。その特許権は20年の権利期間をあと数年で満了。満了後は類似商品が出てくることは十分予測できます。

一方で、ちふりや工業は現在ファブレスとして商品を展開していますが、開発・販売はすべて自社直販で行っており、顧客からの要望や商品の使い勝手、トラブル、コストダウンなどの要望・改善課題に対応しています。商品特有の課題を解決する改良は重要な発明です。改良するたびに特許を出願することも考えられますが、費用対効果はどうでしょうか。装置機構はそれほど複雑なものではなく、ここではフレコン紐の引っ掛かり不具合をなくし使い勝手を改良しています。
しかも権利期間は設定登録日より20年(意匠法改正後は出願日より25年)となり、意匠権により商品を保護する期間の延長が図れることとなります。意匠権は出願から権利化判断まで特許権と比較して短期間にできることから経営判断のスピードも早められます。

経営戦略において自社商品の将来に至る成長を想定し、モノだけでなくコトに至るまで企画検討が重要となっています。特許・実案・商標さらに意匠を複合して活用することで、市場での優位性とシェアの維持・延命を図り、権利化の費用対効果、状況に応じて経営判断を早めることができるといえます。

解説者
桑原良弘
  • 2級知的財産管理技能士
  • もうけの花道アンバサダー
ディスプロ株式会社

中国経済産業局特許流通アドバイザーとして、地域経済政策の活性化と開発テーマの事業化、知的財産活⽤を⽀援。現在、中堅製造業の顧問や地域⽀援機関と連動した企業のビジネス開発⽀援を⾏っており、多くのビジネス開発・知的財産の戦略構築・活用展開・商品開発の実績を持ち、事例研究も行う。

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