製品評価技術基盤機構(NITE)では、NITEに集約される製品安全に関する情報を製品事故の未然・再発防止の観点から、製品安全情報マガジン(PSマガジン)によってタイムリーに提供しています。
まだまだ寒い日が続いています。お家でお鍋を囲む際にカセットこんろを使用される方も多いのではないでしょうか。カセットこんろなどに使用されているカセットボンベは便利な製品ですが、可燃性ガスを充填しているため、使用時や保管時に注意が必要です。今回はカセットボンベの事故をご紹介します。
台所でガスこんろを使用中に、使い終わったカセットボンベに穴を開け、内部のガスを抜いたため、ガスこんろの火がガスに引火し、やけどを負ったと考えられます。
使用者はIH調理器の上にカセットこんろを置いており、誤ってIH調理器を作動させてしまったため、カセットこんろが加熱され、装着されていたカセットボンベの内圧が上昇し、破裂、引火して火災に至ったものと考えられます。
カセットこんろの上に載せる調理器具をカセットボンベの容器カバーに接触する状態で使用したため、容器カバーの中央部が調理器具の熱により高温となって焦げ付いたものと考えられます。
ガストーチのカセットボンベを固定する部品が破損していたことに加え、カセットボンベが正しい装着位置からずれていたことにより、ガスが漏れ、点火操作によってガスに引火したものと考えられます。
使用者がカセットボンベを温めればカセットこんろが着火しやすくなると考え、カセットボンベを石油ファンヒーターの温風吹出口付近に置いて温めたため、ボンベの内圧が上昇し、破裂したものと考えられます。
【カセットボンベ使用製品の気を付けるポイント】
○最後まで使い切ってから廃棄する。
カセットボンベのガスが残っている状態(振るとシャカシャカ音がする)で廃棄することは大変危険です。カセットボンベは最後まで使い切ってから廃棄してください。なお、どうしても使い切れないときはボンベに表示されている販売元または製造元にお問い合わせください。
○カセットボンベが異常に熱くなるような使い方はしない。
カセットこんろ全体を覆うような鍋や鉄板の使用、カセットこんろを2台以上並べての使用などはしないでください。ボンベが過熱され危険です。
カセットボンベのガスの出が悪くなり、着火しづらくなったからといって、ファンヒーターなどの暖房器具で温めるようなことは絶対にやめてください。カセットボンベは加熱されると内圧が上昇し、ボンベが耐えられる圧力の限界を超えると破裂するおそれがあり、大変危険です。状況によっては大きな火炎を伴うこともあり、火災事故も発生しています。
○カセットボンベは機器に正しく装着する。
ガス機器にカセットボンベを装着する場合は、取扱説明書の指示に従って正しく装着してください。カセットボンベの装着を誤った状態で使用すると、ガス漏れが生じて火災に至るおそれがあります。
装着後に異音や異臭などが生じた場合は、ガス漏れのおそれがありますので、直ちに使用を中止してください。
○古くなった製品の部品劣化、破損、緩みなどに注意する。
カセットボンベ使用製品は、使用していなくても時間の経過とともに部品が劣化して、使用時にガス漏れなどが生じるおそれがあります。製造から長期間経過した製品を使用する場合は、製品に破損や変形、劣化などの不具合が生じていないか確認して使用してください。部品に異常があると、カセットボンベの固定が不十分となってガス漏れが生じるおそれがあります。また、製造から長期間経過したカセットボンベも、ガス漏れやさびなどが生じていないことを確認した上で、早めに使い切ってください。外観に異常が無くても、カセットこんろは10年、カセットボンベは7年を目安に買い換えることが推奨されています。
○室内に保管する。
カセットボンベを保管する場合は、ベランダや自動車内などの屋外での保管を避け、日光や外気にさらされない室内で保管してください。
ちゅうごく地域ナビ 2023年2月1日掲載
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