エッセイ│てくのえっせい 369

本当に間に合っているのか

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広島工業大学名誉教授
中山勝矢

車は便利ですが、困るのは燃料切れと駐車場。燃料電池車や電気自動車だとスタンド探しに時間を取られているうちに、本当にエンコすることが起きそうです。

最近は、駐車場が増えて便利になったものの、都心と郊外とでは異なり、一律ではありません。空き地次第、客次第であって、ビルが立ち並ぶ地域では探すのが大変です。

現地に着いて駐車場を探したが見つからず、やっと見つけたら空きが奥の隅にしかなく、うまく入れる自信がないためあきらめた経験はありませんか。

気になる車止め

時間貸しの有料駐車場は、どこでもゲートか車止めを設けてあります。料金の支払いが済んでいないとゲートは開かず、車止めの板は下りないので外に出られません。

車止め方式の場合、車が所定の位置に収まると、ちょっと時間をおいて、乗り越えられないような頑丈な金属製の板が車の下に持ち上がってきます。

車を入れる時は、この板を操作する機構を収めた箱が大きく盛り上がって見えます。慣れていないと、これを乗り越えるのかと気になるものです。(写真1)

(写真1)よく見かける方式の駐車場の車止め(所定の位置に車が止まると、中央に見える車止め用の黄色の邪魔板が跳ね上がり、車の出入りができないようにする)(執筆者撮影)

車によっては、床下の部品が低めに取り付けられている車種もあります。その場合、部品を損傷することがあり、運転者によっては駐車を避けると聞きます。

管理者側からすれば、人手を省いてコストカットを狙ったのでしょうが、客からすれば使えない駐車場ということで、別の場所を探しに行くことになります。

こうした問題を採り上げた企業があります。それは岡山県美作市の(株)英田エンジニアリングで、「利用者と管理者に優しい駐車場機器」の商品化に成功したのです。

発想を変えた新商品

発想の転換のポイントは、フラップ板方式からブロック方式にしたことです。車止めに邪魔板を跳ね上げる方式からブロックをせり上げる方式に改めたというわけです。

これだと車がいない時、駐車面に客が嫌がる突出物が何も出ていません。したがってとくに気にすることなく、車を所定の位置まで動かすことができます。(写真2、3)

(写真2)新しく開発された車止め用のブロック、車が入って駐車すると、黄色のブロックがせり上がって車の移動を阻止する
(写真3)実際に駐車場に組み込まれてテスト中の新しいブロック方式の車止め
※写真2,3は (株)英田エンジニアリングからの提供

ブロックの大きさは幅が844mm、奥行きが165mmですが、高さの方は利用者の状況により100mm、120mm、138mm、155mmと変えられるようになっています。

(株)英田(あいだ)エンジニアリング(社長:万殿(まんどの)貴志氏)は、この成果により平成29年(2017)年5月30日、中国地域ニュービジネス協議会の総会で優秀賞に輝いたのです。

(株)英田エンジニアリングは、昭和49(1974)年4月に有限会社として設立され、創業と同時にフォーミングロールの生産を開始しています。

その後は成形機、造管機の製造、駐車場駐輪場関係の機器や熱処理・刃物製造・破砕機のメンテナンスなど、高度な技術に裏打ちされた商品を社会に提供してきました。

そしてさらに平成11(1999)年には関連会社として(株)パークン・パークを設立、駐車場運営管理業も始めていますから、利用者の希望を踏まえた機器の開発ができるわけです。

現在、従業員は130余名で、年商55億円、全国各地に展開中というのですから、立派なものです。他にも幾多の賞を得ておられます。ますますの発展を期待します。

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経済産業省 中国経済産業局 電子広報誌

ちゅうごく地域ナビ 2017年7月7日掲載

Copyright 2017 Chugoku Bureau of Economy,Trade and Industry.

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