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中小・小規模企業が行うSDGs宣言

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株式会社クリエイティブ・ワイズ 代表取締役 三宅曜子

今、国連が提唱する「持続可能な開発目標(SDGs)」を積極的に取り入れようとする企業が増えてきている。この取り組みは大企業だけでなく、私は中小・小規模企業こそ、SDGsに取り組むことが、今後の発展にもつながってくるのではないかと思っている。

中小・小規模企業が行うことで、オーナーと社員の絆が生まれ、加えて意識改革をすることで会社の体質も良くなり、昨今の新型コロナの影響で消極的になってしまいがちな企業の“やる気”にもつながってくる。

今回は広島の郊外にある、正社員7名、パート従業員が25名の介護関連の布製品製造企業である『株式会社コーポレーションパールスター』が、今年1月に13テーマのSDGs宣言をして、社員の意識も大きく変わり、会社自体も活性化している状況を紹介する。

そもそもSDGsとは

SDGsとは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略で、持続可能な社会をつくるために、世界が抱える問題を17の目標と169のターゲットに整理したもの(2015年9月に国連で採択)。2030年までに、政府、企業、地域社会のあらゆる人が、SDGsを実現するための役割を担っていると明記されている。

2030年まではあと8年強。それまでに日本でもやらなければならないことが数多くある。前回もテーマにさせてもらったが、今回も再度このテーマをご覧頂きたい。

日本の政府は、SDGsに係る施策の実施について、全国務大臣を構成員とする「持続可能な開発目標 (SDGs) 推進本部」を設置した。本部は2016年12月22日に「持続可能な開発目標 (SDGs) 実施指針」を決定し、優先課題として、2030アジェンダが掲げる5つのPである、People(人間)、Planet(地球)、Prosperity(繁栄)、Peace(平和)、Partnership(パートナーシップ)に対応した8項目が示している。

2019年12月の第8回推進本部会合で、2020年のSDGs推進のための具体的対策法を取りまとめた「SDGsアクションプラン2020」を決定した。

取り組みを項目に分けると、1.人権・労働 2.環境 3.公正な事業遂行・組織体制 4.製品・サービス 5.社会貢献・地域貢献の5つとなる。

その中で、この企業はA“お客様の悩みに寄り添う”をテーマに3.すべての人に健康と福祉を 11.住み続けられるまちづくりを 12.つくる責任 つかう責任 17.パートナーシップで目標達成しよう を達成するため、お客様の悩みに寄り添った商品開発と、創業以来磨き上げてきた技術をもとに、お客様・社会のニーズに応える商品の提供を掲げている。

主な取り組みとして、お客様の声・要望をふまえた商品開発・提供の実践、高齢化社会を見据えた健康関連商品・高齢者向け商品の開発・製造(予防医療商品、滑落・転倒対策商品など)新型コロナウィルス発生を受けた布製マスク・ガーゼの開発・提供をあげている。

また、B“人権”をテーマに4.質の高い教育をみんなに 5.ジェンダー平等を実現しよう 8.働きがいも経済成長も 9.産業と技術革新の基盤をつくろう を達成するために、働きやすい職場づくりの実践により、従業員一人ひとりが健康で働き甲斐をもち、安心して働くことができる会社を目指していくと掲げている。

主な取り組みとして、従業員の健康維持に向けた定期健康診断やストレスチェックの実施、多様な人材が働くことが可能な勤務形態の整備、ハラスメント禁止についての就業規則への明記、従業員の技術向上を図るための各種職業訓練の実施をあげている。

C“品質”をテーマにAと同じく3. すべての人に健康と福祉を 12.つくる責任 つかう責任 を達成するために、医療衛生用品製造業者として、安全性・性能・効果を追求することで、お客様の信頼を得られる商品を提供する。

主な取り組みとして、品質管理業務手順書の制定・順守、大学・医療機関との連携による商品効果実証、医療機器製造現場における設備の日時清掃・保守点検実施をあげている。

D“社会貢献”をテーマにA,Cと同じく3. すべての人に健康と福祉を Bと同じく8. 働きがいも経済成長も Aと同じく11. 住み続けられるまちづくりを が宣言として挙げられている。。

地域経済活動と社会貢献活動の実施により、地域の人々が安心して暮らせるより良い社会づくりに貢献していくという宣言だ。

主な取り組みとして、布製マスク寄贈による感染予防が必要な施設等への支援、地元自治体との積極対話による事業活動の実施、地元人材の積極採用などだ。

SDGsロゴの用途と使用許可の方法

SDGsのロゴは用途により使用許可が必要なので注意したい。

国際連合広報センターのガイドラインによると、SDGsロゴなどの用途は3つの目的により許可等が変わってくる。

①情報目的

②資金調達目的

③商業用途

資金調達目的と商業用途でSDGsロゴを使う場合に限り、国連本部の許可が必要だ。

資金調達目的とは、営利目的のことで、営利企業による商業的、あるいは販促用商品や製品における使用の場合は、国連本部のアドレスに英文でメールを送る必要がある。

国連本部アドレスsdgpermissions@un.org

下記内容でメールをするが、取得するためには非常にハードルが高いといわれている。

メールの件名は「SDG LOGO/ICON REQUEST」とする
・アイコンやロゴの使用方法や用途を簡潔に示す
・アイコンやロゴの入ったサンプルや試作品を添える
・用途がSDGsの目的に合致していることを説明する
・サステナブルなビジネスの実践と素材について示す
・商品とSDGsの整合性を具体的に明記する

※国連本部に直接連絡をするので、やり取りはすべて英語。

情報目的に限り、国連の許可を取得せずに自由にロゴを使用できる。

情報目的とは、非商業的で資金調達を意図しない使用の事を指し、SDGsを普及させることが目的であれば国連の許可を取らずに使用できる。

商業用途と情報目的を見極めるポイント

国際連合広報センターに掲載されているSDGsロゴ使用に関する内容から、用途を見極めるポイントを紹介する。

2020年9月時点でSDGsロゴ使用に関する資料は、カラーホイールを含むSDGsロゴと17のアイコンの使用ガイドラインだ。

国連本部からの許可が必要な使用例、及び許可が不要な使用例が出ている。


【許可が必要な使用例】
・名刺や個別企業の製品パッケージ
・参加費を徴収するイベントに関するチラシ・招待状・バナー・ポスターなど
・印刷出版物(書籍、教科書など)

【許可が不要な使用例】
・事例を示すことが目的のプレゼン資料・年次報告・会社資料など
・報道機関(新聞・雑誌・TV/Web)の情報目的の利用


基本的には、特定の製品・サービス・活動に対する国連の支持を示唆する形や自己宣伝・財務利益の獲得が目的の場合には許可なしでSDGsロゴを使用することは禁じられている。

また、許可が不要な使用の場合でも、ガイドラインに沿った使用方法が求められている。
(SDGs mediaより抜粋)

なお、取得に関しては各地の地方行政(県、市の窓口)や、広島の場合は、広島銀行など地方銀行が使用許可申請の代行も行ってくれるようである。(有料)

<ひろぎん>SDGs取り組み支援サービス

今こそ、世界的にも注目されているSDGsの取り組みを我々中小・小規模企業から行っていきたい。

マーケティングコンサルタントとして、中小企業支援及び指導、商業活性化事業、まちづくり事業等、顧客のニーズを的確に捉えた市場開発とアプローチ手法等、幅広い分野におけるマーケティング全般のアドバイスを全国各地で手掛ける。また、平成19年度より地域資源活用事業の政策審議委員、国会での参考人をはじめ、全国で地域資源を活用した事業推進、農商工連携事業、JAPANブランドプロデューサーなど幅広く活躍中。

  • 経済産業省地域中小企業サポーター
  • 同、伝統的産業工芸品産地プロデューサー
  • 中小企業基盤整備機構経営支援アドバイザー
  • 同、地域ブランドアドバイザー
  • 内閣官房 地域活性化伝道師
  • 同、クールジャパン地域プロデューサー
  • 広島県総合計画審議会委員 他

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経済産業省 中国経済産業局 電子広報誌

ちゅうごく地域ナビ 2021年7月20日掲載

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