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誰もがすぐにできるSDGs

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株式会社クリエイティブ・ワイズ 代表取締役 三宅曜子

このところ、マスコミなどでも良く耳にする「SDGs(エスディージーズ)」

そもそもSDGsとは、Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標のことで、2015年の国連サミットにおいて全ての加盟国が合意した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中で掲げられた。2030年を最終達成目標とし、17の目標とより細かく分けられる169のターゲットから構成されている。

世界中が今より良くなるために、2030年までにすべての国で協力して解決したい目標の事だ。

17の目標が、「貧困をなくそう」、「飢餓をゼロに」、「質の高い教育をみんなに」、「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」、「住み続けられるまちづくりを」、「ジェンダー平等を実現しよう」、「気候変動に具体的な対策を」、「海の豊かさを守ろう」、「陸の豊かさを守ろう」など、我々が生活していく上で、これからも長く考え、実行していく必要がある目標であるが、主に企業が取り組むことと、個人でも取り組める目標がある。

ヨーロッパで30年以上前から「あたりまえ」に行われていたこと

日本はこの17目標の中で遅れていると思われるものに、5番の「ジェンダー平等を実現しよう」がある。今年ある男性大臣が公的な場所で言われた女性に対する発言が問題になり、オリンピック担当が女性に替わったことがあるが、これは今に始まったことではなく、元々日本の男性が持っている意識が公になっただけで、まだまだ数えきれないほどある。

私が2007年に経済産業省の政策審議会委員になり、東京で会議を行った時に驚いたのが、委員全体人数30名中、女性はたった3名。その審議会のテーマが「地域資源活用促進法案」だった。

結局、私が国会(衆議院)でその政策/中小企業による地域産業資源を活用した事業活動の促進に関する法律案(内閣提出)の参考人となり各党からの質問に応じ、幸いなことに全党一致で可決したが、衆議院各党の議員の方たちもほとんど女性がいないのが当たり前のような状態であった。これからは日本の国会議員から、せめて女性を半数にするべきだと思う。

また、私は以前から毎年ヨーロッパ、とくにスイスやドイツ、フランスなど各国に行っていたが、かなり前からまだ日本にはない、今のSDGsの取り組みがすでに行われていたことが非常に印象に残っている。

その一つは、スイスのチューリッヒやバーゼル、他にも地方のいたるところで、散歩の途中に見かけた50cm程度の立方体の中が見える箱で、中には子供用の絵本やおもちゃ、ティータイムに使うカップセット、きれいなレースの敷物などが、リボンなどできれいにまとめられて置かれていたものだ。

最初、それが何かわからなかったが、地元の人に聞くと、自宅で使わなくなったものをきれいにまとめてそこに置き、欲しい人が持っていくというシステムだ。

また、ごみ箱も非常にわかりやすく分別できるようになっており、スイスではごみ箱が7個並べられ、わかりやすいようにイラストで分別の内容が描かれていた。それは今でこそ日本でも駅や街中で見かけるようになったが、最初に海外で見たのは30年以上前だった。

誰でもできるSDGs

今我々がすぐにできることとして、「つくる責任 つかう責任」がある。

今日、ある地域の漁協が加工場を作るということで、私がプロデュースをすることになり、オンライン会議を行った。その漁協は、主にカンパチ、タイ、ハマチの養殖をやっており、特にカンパチは20万匹という量だ。これを丸からロイン(四つ切)までするという加工場だ。

その図面を見た時に私は「頭やカマ、骨、剥き身などはどうするのですか?」と尋ねると「廃棄」するとのこと。1メートルもある魚のカマや頭、骨の間の剥き身などは廃棄すべきでない。つくる責任があり、SDGsに反すると意見をした。参加者全員、これらが商品になるという意識がなかったようで、この工程も加工場でやりたいと言う。今までは残渣として扱われていたものが商品になるという意識がなかったようだ。早速それらの設備も考えることになった。

SDGsには「つくる責任」「つかう責任」と同時に「扱う責任」もあると思う。

今、フードロスがとても多い。

私の友人がフードバンクの活動をしている。フードバンクは「食」を仲立ちに人と人との縁を結び生活を支える活動を基軸にしている組織だ。

毎週1回、フードロス、特にスーパーや大型量販店などから賞味期限が近いものや、売れ残った食品が多く集まってくる。それを引き取りに行き、食料を求める人たちに持って行っている。本業がある中で毎週行っていることに頭が下がる。

「賞味期限」と「消費期限」の違いを知っている方は少ないと思う。賞味期限ぎりぎりのものは廃棄されているのだ。

「賞味期限」はおいしく食べることができる期限。「消費期限」は期限を過ぎたら食べない方が良い年月日の事だ。

フードバンクは市場に出すことはできなくても食品として十分な安全性を持った食べ物を捨てずに生かすことを目的としており、日本ではコメの年間総生産量の約30%に匹敵する量の食べ物が捨てられていると聞いて驚いた。

その友人は、最近休耕田を借りて、休みのたびに車を走らせ、無農薬の野菜作りに取り組んでいる。連休中に私も行ってみたが、立派に野菜が育っていた。

彼女が収穫した野菜を入れるためにたすき掛けにしている袋は、車のエアバック(これは破棄できない素材のようだ)とシートベルトを活用したリメイクバッグ。

玉ねぎやキャベツも葉の部分や外葉も調理次第でおいしくいただける。

食べ物を大切に食べきることは、賞味期限だけで判断するのではなく、使い方や保存方法などでも変わってくるため、人として「扱う責任」まで意識することが大切だと思う。

企業としてだけでなく、消費者としてももっと勉強しなければならないことがたくさんある。

SDGsは今日からできる取り組みだと思う。

※写真は全て筆者撮影

マーケティングコンサルタントとして、中小企業支援及び指導、商業活性化事業、まちづくり事業等、顧客のニーズを的確に捉えた市場開発とアプローチ手法等、幅広い分野におけるマーケティング全般のアドバイスを全国各地で手掛ける。また、平成19年度より地域資源活用事業の政策審議委員、国会での参考人をはじめ、全国で地域資源を活用した事業推進、農商工連携事業、JAPANブランドプロデューサーなど幅広く活躍中。

  • 経済産業省地域中小企業サポーター
  • 同、伝統的産業工芸品産地プロデューサー
  • 中小企業基盤整備機構経営支援アドバイザー
  • 同、地域ブランドアドバイザー
  • 内閣官房 地域活性化伝道師
  • 同、クールジャパン地域プロデューサー
  • 広島県総合計画審議会委員 他

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経済産業省 中国経済産業局 電子広報誌

ちゅうごく地域ナビ 2021年5月21日掲載

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