エッセイ│素敵・発見!マーケティング

コロナ禍の海外とのECビジネス

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株式会社クリエイティブ・ワイズ 代表取締役 三宅曜子

世界的なコロナ禍で、海外ビジネスが非常に難しくなっている。私も昨年2月から海外の出張ができなくなり、各国にいるコーディネーターや友人たちとは、ZoomやWhatsAppでやり取りをしているが、やはり直接会って話すのとは違い、難しい。

そんな中で、これまで毎年各地の企業や商工会、商工会議所などをサポートして海外ビジネス支援策のjapanブランド事業を行ってきたが、今回のJAPANブランド事業は、コロナの真っただ中で行うようになるため、一昨年0年度事業でUAEアラブ首長国連邦に視察に行った連携企業の事業をやめることにしたが、第2タームで夏場に申し込みをすることになり、UAEの外務省からも依頼が来ていたため、ECビジネスとして行うことにして事業計画を作り、わずか2か月半しかない状況の中で実施した。

今回はJAPANブランド事業で行った海外とのECビジネスの実態を紹介する。

海外とのビジネスは日本国内ビジネスとは大きく違う!

まず、前回市場調査を行い、非常に好印象であった、日本の『内外美容』について具体的なモニタリング調査によるニーズを調べることから行った。

そのためには、この事業の対象国であるアラブ首長国連邦はイスラム圏であり、商品の中にアルコールや豚由来の素材が入っていてはいけないため、それを排除した商品開発を早急に行うことにした。

この国のスキンケアや美容サプリメントは主にヨーロッパから入っているものが多く、自分の香りを持っているアラブ人にとって、香りがミックスしてしまうことを嫌うため、日本のナチュラルで優しい成分と香りがあまり強くない商品が好まれる。

このことは前回の市場調査で分かっていたため、今回の事業は、ナチュラルなスキンケア商品を研究開発している、石川県のTOWAKOメディカルコスメティック、美容関連のサプリも研究開発しており、元は発酵商品を作る山口県の企業で研究開発のトップをやっていた薬剤師で商品開発研究者が、シュウウエムラ氏から請われて社長になった東京のイムダイン、それに広島の熊野町で化粧筆の企画から製造まで行う老舗の丹精堂の3社が連携(取る・ツメ)し、私が総合プロデューサーとなり、具体的な提案を行えるように様々なプロ達とプロジェクトを組むことにした。

その中で、特にUAEアラブ首長国連邦と日本とは大きく違う部分が多々あることが分かった。

HALALに則って商品開発をしている中で気が付いたのが、ヨーロッパからUAEに入ってくる化粧品の中には香水もある。この中には必ずアルコールが入っているが、これは問題ないのだろうか。

コロナ禍でアルコール消毒が必要になってくるが、これはどうなのだろうか。

UAE在住でディストリビューターもやっている、今回のサポート役の方に聞くと、口の中に入れるものは非常に厳しいが、香水などはあまり気にしていないとのこと。

どこまでがHALALなのかが気になった。

しかし、今回のUAE用商品開発には、念のためアルコールを全く入れず、サプリメントのカプセルも、本来は豚のコラーゲンを使うが、それもフィッシュコラーゲンに変えて開発を行い、化粧筆の殺菌も紫外線殺菌で対応することにした。

こうして、商品開発をイスラム圏で問題が起きないような内容で制作した。

アラビア人は、長い文章や説明書を読まない

事業を進めていく中で意外だったのが、アンケートを取る段階で、UAE在住の日本人コーディネーターに確認を取った時だった。

その前から、在日サウジアラビア人のSEから「アラビア人は簡単な文章しか読まないよ!」と聞いていたため、アンケートもできるだけ簡潔に作り、見てもらったところ、それでもまだ長いので書いてくれないとのこと。しかも何かをプレゼントすることを明確に提示するとアンケートの回答が取りやすいとも教えてもらった。

これまで展示会などで、試食やサンプルを配ると、途端に集まりが良くなり、アンケートも書いてくれるのがどの国でもあることだが、特にアラビア人はそれが顕著に表れるようだ。

UAEの中でもドバイは外国人が70%いるため、ドバイの隣の国シャルジャで、アラビア人だけにアンケートを依頼することにしたが、それでも難しかった。

非常に簡単なアンケートだと、日本人ならすぐに書いてもらえるのに、それができないとは驚いた。この国のアラビア人は裕福な人が多いが、アンケートの記入などは面倒くさいようだ。たぶん、家事などは自らはあまりせず、お手伝いさんがやっていること、何をするにしても、長い時間だとあきてしまうことなどがアラビア人気質ともいえるようだ。

アラビア人は動画なら見る。中でも女性はメイクアップテクニックなど美しくなることに積極的で、そのような情報は非常に好き

今回のJAPANブランド事業はコロナ禍のため、ECで行うことになり、実際に現地で商品の紹介活動ができないため、インスタWebサイトでの提案となった。

Webサイトでは、主に各企業紹介やこだわり部分、商品紹介などをシンプルにまとめた。また、インスタでは、美容関連商品とメイクアップテクニックを動画で紹介することになった。

私は長くメイクアップアーティストとスタイリストをしていたため、問題なくできたが、とにかく時間がかけられないため、5分程度にまとめなければならない。しかもUAEの女性たちは頭にヒジャブという布をまいており、顔の中でアイメイクをきっちりしていることから、アイメイクを中心にデモンストレーションを行い、動画撮影した。最初はモデルを使い、実際のメイクアップを行うことにした。

しかし、どうしても説明をしながらベースからファンデーションからポイントメイクを行うと5分では無理だったため、自分の手を顔に見立てて行うことにした。

この出来上がりをUAEの女性に見てもらうと、短時間で明確に紹介したため、皆がわかりやすいといってくれた。これが静止画やリーフレットだと、たぶんほとんど見てくれないと思われる。

また、紹介コメントも、アラビア語の文字は右から左に書くため、商品パッケージの使用方法記載などは、右揃えでくねくねした文字なので、何となく横に倒れそうなイメージになるが、これが一般的なのだ。

翻訳や通訳などは、アラビア語の場合非常に難しく、ただ読める、書ける、話せる程度だと、現地の人には全く通じないため、日本には数少ないアラビア人で日本に10年以上住み、国立大学をトップで卒業したプロにお願いした。しかも彼はコロナが流行っている12月に事業者の商品サンプルをUAEに持って行ってくれた。アラビア人はドバイだけ3日間の滞在なら、日本のPCR検査の陰性証明書があれば往復できるのだが、サンプルを持って行ってもらった後、再度2回目に1月にドバイに行き、同様に現地のディストリビュータに後、自国のサウジアラビアに行ったら、足止めにあい、いまだに帰国できないでいる。大変な世の中になったものだ。

日本もオリンピックが危ぶまれているが、ドバイでの万博もこの状況が終息しなければ難しいと思う。とにかく世界中早いコロナ終息を願っている。

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※写真は全て筆者撮影

マーケティングコンサルタントとして、中小企業支援及び指導、商業活性化事業、まちづくり事業等、顧客のニーズを的確に捉えた市場開発とアプローチ手法等、幅広い分野におけるマーケティング全般のアドバイスを全国各地で手掛ける。また、平成19年度より地域資源活用事業の政策審議委員、国会での参考人をはじめ、全国で地域資源を活用した事業推進、農商工連携事業、JAPANブランドプロデューサーなど幅広く活躍中。

  • 経済産業省地域中小企業サポーター
  • 同、伝統的産業工芸品産地プロデューサー
  • 中小企業基盤整備機構経営支援アドバイザー
  • 同、地域ブランドアドバイザー
  • 内閣官房 地域活性化伝道師
  • 同、クールジャパン地域プロデューサー
  • 広島県総合計画審議会委員 他

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経済産業省 中国経済産業局 電子広報誌

ちゅうごく地域ナビ 2021年3月5日掲載

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