エッセイ│素敵・発見!マーケティング

つかの間のアラビアンナイトを満喫できる
場所を見つける!

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株式会社クリエイティブ・ワイズ 代表取締役 三宅曜子

今年の夏は、どこにも行けなかった方がとても多かった。

連日のニュースは新型コロナの感染に関するものか、猛暑日の各地の様子ばかり。

そんな中で、私もご多分に漏れず、お盆休みは横浜に戻るはずが、母が高齢の為、家族皆が戻ったらダメ!ときつく言われるたためどうしようかと思っていたが、7か月近く私の東京のマンションにも戻っていなかったため、郵便受や部屋の状態が気になり、思い切って大井町にあるマンションに戻ってみることにした。

妹たちも東京の私のマンションを見に行くことを嫌がっていたため、ひどい状況になっていることは覚悟していたが、案の定郵便受はドアが開かないほどびっしりとチラシと郵便物が押し込まれており、やっとごみ袋半分量もある郵便物を取り出したが、部屋の中もひどかった。まさかこんなに長く戻れないとは思わなかったので、24時間換気をセットしていたが、7か月の間に停電があったようで切れていて、バスルームやトイレはカビ!ウォークインクローゼットの中は冬服のまま、掛け布団も厚い冬用のもの、冷蔵庫の中身はすべて捨てることに…。

新型コロナの影響はこんなところにも出るのかと、へんに納得してしまった。

そんなめげてしまいそうな中で、お盆の真っただ中の15日に東京の友人から誘われて、私がJAPANブランドでUAEに何度か行っていることも考慮して、「アラビアの料理を食べに広尾に行きましょう!」とお誘いをいただいた。

同行者には、サウジアラビア人の男性と、もう1名、まさにアラビアの街のレストランそのもののようなレストランで食事をすることとした。

本格的な中東アラビア料理のすばらしさを堪能!

アラビア料理は食べたことがあるだろうか?

日本では地方にはほとんどない本格的なアラビア料理で、シリアのオーナーを含むアラブ人だけで作る素晴らしいメニューの数々である。

東京に戻る1週間前に『品川区の飲食街でクラスター発生!』とテレビで流れていた景色が私のマンションの周辺に似ていると思っていたが、実際にマンション前の道路を渡った先にある小さな飲食街だったこともあり、そのショックで外食もできず、完全防備のスタイルでエキナカの成城石井に行き、わき目も降らず総菜と弁当を買って戻り、それを食べるしかない情けなさと、東京に戻った初日から、マンションの片付けで相当精神的に参っていた私は、お誘いにのり、アラビア料理を食べに友人とサウジアラビア人の知り合いと共に広尾に行った。場所は広尾駅から徒歩3分の場所にあり、その店『Zenobia(ゼノビア)』のオーナーがたまたま外に出ていて我々と話をしてくれたとたん、ずっと情けなかった思いがいっぺんに飛び、期待でいっぱいになった。

その期待には、外に出された看板のメニューで、私がUAEで食べた懐かしい料理や、ヘルシー感覚たっぷりなパセリのサラダ「タッブーラ」、なす、ごま、ひよこ豆、ヨーグルト、香辛料で作った「マッザ」というペーストをアラブスタイルのナンに付けて食べるもの、チキンケバブやシシカバブ、シシタウグなど、肉類のメニュー、中東のビールも数種類、またザクロのジュースなど、HALALに則り、豚肉を使わないメニューが並んでいたことも大きな要素であった。

階段を下りて地下に行く途中の手すり部分にはアラブ独特の美しいランプや装飾品が並び、店に入る前から中東に来ているような気分になってくる。

店内に入ると、床面のタイルの美しさや、螺鈿木目込み細工のテーブル、アラブの置物、美しい装飾皿など、一層アラブの国に入り込んだ気持ちになってきた。

オーナーのアブラハム氏はシリアの戦災者で、お父様とは生き別れになられたそうで、 我々日本人も昔戦争中はそのような状況がよくあったことだと改めて思った。

アラブ料理はヘルシーさもハンパない!

実は私はラム肉が食べられない。その匂いが鼻についてどうしても食べられないのだ。

しかしアラブ料理にはラム肉はつきものなので、最初はどうしようかと思っていたが、「同じメニューでチキンもあるよ!」と言われたので安心した。

注文は一番価格が手ごろなコースメニューと、単品類を友人とアラビア人の知り合いが頼んでくれた。

まさかムスリムのアラブ人オーナーレストランにアルコールドリンクがあるとは思っていなかったが、中東ビールのバリエーションも数種類あった。まずそのビールとおつまみ的なメニューが来た。その美味しさにびっくりして、次に来るメニューの期待が大きく膨らんだ。2日間、成城石井の総菜メニューばかり食べていたため、あまりの違いに良い意味でショックで、こんな本格的なアラブメニューが日本で食べられるとは全く思っていなかった。しかもすべてヘルシーでナチュラルな味ばかり。

今までアラブ料理に対する苦手意識がある方は、東京に行かれたらぜひチャレンジしてほしい。アラブにはラマダンがあるため、一か月間、ほとんど食事をしない日が続くが、その後こんなにおいしいものを食べると、食に対しどういう気持ちで接するのか、きっと感謝の気持ちが出てくるのだと少しわかったような気になってきた。

世界には様々な食べ物があるが、私は毎年夏にはヨーロッパに行っていたため、イタリアやスペイン、クロアチア、トルコ料理はなじみがあるが、アラブ料理は3回のUAE出張でしか食べていなかったため、あまり印象に残っていなかったが今回広尾の『Zenobia(ゼノビア)』であらためてしっかり食事をしたため、この中東料理はクロアチアやトルコ、スペイン料理などの影響も多分に受け、しかもこれらの国よりハーブやスパイス、香辛料、野菜類を上手に使っていることが良く分かった。

私は知らない間に今回ラム肉を食べていて、それがチキンより美味しいことがわかったのもとっても大きな成果であった。

改めて、食べず嫌いだったことをいまさらではあるが、改善できたよいチャンスでもあったことが嬉しかった。こんな素敵で美味しく、店のオーナーやスタッフもとても感じよく、うきうきした気持ちで食べられることが幸せを感じる要因であることも改めてわかった。

そして中東の料理が、あまり癖がなく、日本人にもなじみがある、違和感がないものだということも感じとることができた。

中東アラブ料理を食べたことがないなら、東京に行かれた時にはぜひ一度食べてみてほしいと思った。

(店舗)
アラブ料理 ゼノビア(Zenobia) 東京メトロ日比谷線広尾駅2番出口から徒歩3分
〒150-0012 東京都渋谷区広尾5-2-25 本国ビルB1  TEL:03-5420-3533

※写真は全て筆者撮影

マーケティングコンサルタントとして、中小企業支援及び指導、商業活性化事業、まちづくり事業等、顧客のニーズを的確に捉えた市場開発とアプローチ手法等、幅広い分野におけるマーケティング全般のアドバイスを全国各地で手掛ける。また、平成19年度より地域資源活用事業の政策審議委員、国会での参考人をはじめ、全国で地域資源を活用した事業推進、農商工連携事業、JAPANブランドプロデューサーなど幅広く活躍中。

  • 経済産業省地域中小企業サポーター
  • 同、伝統的産業工芸品産地プロデューサー
  • 中小企業基盤整備機構経営支援アドバイザー
  • 同、地域ブランドアドバイザー
  • 内閣官房 地域活性化伝道師
  • 同、クールジャパン地域プロデューサー
  • 広島県総合計画審議会委員 他

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経済産業省 中国経済産業局 電子広報誌

ちゅうごく地域ナビ 2020年9月11日掲載

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