エッセイ│素敵・発見!マーケティング

今、新たに変化させる事業例

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株式会社クリエイティブ・ワイズ 代表取締役 三宅曜子

新型コロナが世界中の経済を変えてしまっている。

この新型コロナの影響で、1月から2月最初にかけてアメリカのワシントンとニューヨークに行ったときには、まだアメリカ人はマスクをしている人を見かけると、まるで病人を見るような態度であったが、この人たちも皆マスクをするようになった。

世界中の経済が大きく変貌を遂げ、大型の施設やメーカーなども経営破綻に追い込まれてしまっている。私の妹や甥、姪たちがバレエの参考のために良く見に行っていた、カナダ中心のパフォーマンス劇団「シルク・ド・ソレイユ」も経営破綻になってしまったのは非常に寂しいことだ。

我々コンサル業も、県外や海外支援に行けなくなり、事業者さんとはスカイプやZoomでのやり取りとなったが、地方の事業者さんなどはネット環境がない場合や、そもそも、そのためのカメラや音声機能がないパソコンを持っている場合が多く、家電量販店にも在庫がなくなり、Zoomなどができないためやり取りがもっぱらLINEになることも多い。セミナーや講演会など、蜜になる要素があるものはすべてキャンセルとなり、弊社も固定費の支払いなどで大変な状況であった。

学校なども、在宅でネット環境がないため、授業ができない地域も多く、日本はIT化がまだまだ進んでいないことが良く分かった。

私がアドバイザーをさせていただいている中小企業基盤整備機構でも、窓口相談ができず、電話での相談となったが、マーケティング相談の場合は現物を見なければできないため、私の場合は自社で行うこととし、接客テーブルの中心に透明なパーテーションを作ってもらい、感染予防のために3層のマスクをお互いに付け、室内やお互いの手の消毒など、完全に近い対策を取りながら実施した。

また、今回のことで日本は衛生材料を中国に頼っていることも実感した。

マスクの品切れが続き、皆手作りのマスクでしのいでいることも多かった。私の場合はたまたま義弟が医療用の資材メーカーだったため、医療用サージカルマスクが数箱あり助かったが、いまだに世の中は感染予防レベルが高いマスクの手配ができない状況である。

そんな中で、6月中旬から緊急事態宣言が解除され、やっと県内企業や施設関連に指導ができるようになった。先週からは県外のコンサルも行えるようになった。

しかし、いまだに感染者が多く、不安材料がある私の実家横浜にも、もう一か所事務所がある東京にも5か月間行けていない。

道の駅のメニュー開発

先月から、広島県東広島市の道の駅「湖畔の里福富」道の駅の新メニュー開発のコンサルを行っている。

ここは高速道路の西条インターを降りて左に進むとすぐにわかる場所で、広島市内から約1時間。広大な面積をもつ施設で、周りが緑豊かな環境もあり、21種の遊具がある広場やディキャンプ場、充実しているため、日帰りで県内外からの親子連れにも人気がある場所である。

ここの道の駅のレストラン「ふくとみ食堂」の夏場にかけての新メニューやスタッフの顧客満足度アップのための実地研修を行っているが、今回の仕事で初めて行ったこの場所は、とても素晴らしいエリアと施設である。

まず、駐車場も100台以上が駐車できることや、バイクに乗ってツーリングを楽しむ方たちも多く、これから暑くなり、熱中症対策や、体力を維持するための食事が求められているため、5月中旬までのレストラン閉鎖後の再開と共に、新たなテーマでのメニューを考えた。

昨今の外食メニューの特徴

昨今の外食メニューに必要な要素は、「ヘルシー」、「安全・安心」、「他店との差別化」が重要であるため、これらを意識して考えることとした。

まず、麺類のテーマは「冷やし麺」。つけ麺などのラーメン系が多い中で、「特別な冷やしうどん」を2種類作ることとした。

特に麺にこだわり讃岐うどんではなく、のど越しが良く、つるりと食べられる、同じ中国地方の手延べ麺を選定。

このうどんはのど越しが良く、胃が疲れないため、どなたにも食べやすく、他店との差別化にもつながる。

トッピングをたっぷりと乗せ、ヘルシーなタイプと、このエリアで有名なキムチなどを載せたボリューミーなタイプにした。

今まだオープンしたばかりであるが、特に良く注文を受けているようだ。

セットメニューも変えることにした。

このメニューは価格面でお手頃でありながら、ボリュームもヘルシーさも充実した内容にした。

メインディッシュに3種の小皿のおかず、味噌汁、香の物を付け、それぞれの量もたっぷりで男性でもお腹いっぱいになる。

また7月からスペシャルメニューとして、広島ならだれもが知るあなごメニューも充実させることにした。

レストランメニューには新たに穴子どんぶりを出すことにした。穴子のお吸い物付きで、試食時にはスタッフ全員が「おいしい」と、大絶賛!持ち帰り用に「あなごの旨味飯」と穴子がたっぷりと入った、大きな「あなごむすび」も作る。

これらのメニューをさらに充実させ、高付加価値商品にするため、調味料やむすび用の海苔も最高級品を使用し、味の奥行きをしっかりと出すようにした。

これまで「道の駅」のメニュー開発を全国各地で行ってきたが、やはり各地方独特の特徴を生かしたメニューが大切で、一般的なものでは生き残っていけない。

東北地方では、食用ほうずきや「こはぜ」というブルーベリーに似た果実を使ったメニューを。岡山の浅口地域では、旨味がある小さな小魚の「ねぶと」などを使ったメニュー、備前地域では小さなタコを使ったもの、宮城県では「ずんだ」(青いえだまめ)を使い、大分では海藻の「がごめ」や「鶏のてんぷら」など。

これまで多くのメニューを作ってきたが、今回のように新型コロナの影響で外出自粛を何か月も余儀なくされた時期には、やはりしっかりと食べたいものが食べられ、子供たちは外でのびのび遊べ、森林浴もできる近場の環境作りが大切だと思う。

まだまだ新型コロナは収まらないと言われているが、とにかく“コロナに負けるな!”で頑張ろう!

※写真は全て筆者撮影

マーケティングコンサルタントとして、中小企業支援及び指導、商業活性化事業、まちづくり事業等、顧客のニーズを的確に捉えた市場開発とアプローチ手法等、幅広い分野におけるマーケティング全般のアドバイスを全国各地で手掛ける。また、平成19年度より地域資源活用事業の政策審議委員、国会での参考人をはじめ、全国で地域資源を活用した事業推進、農商工連携事業、JAPANブランドプロデューサーなど幅広く活躍中。

  • 経済産業省地域中小企業サポーター
  • 同、伝統的産業工芸品産地プロデューサー
  • 中小企業基盤整備機構経営支援アドバイザー
  • 同、地域ブランドアドバイザー
  • 内閣官房 地域活性化伝道師
  • 同、クールジャパン地域プロデューサー
  • 広島県総合計画審議会委員 他

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経済産業省 中国経済産業局 電子広報誌

ちゅうごく地域ナビ 2020年7月10日掲載

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