エッセイ│素敵・発見!マーケティング

植物があるオフィスの効果とは

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株式会社クリエイティブ・ワイズ 代表取締役 三宅曜子

皆さんのオフィスには植物があるだろうか。
私は会社設立から33年間、ずっと植物をオフィスの外や室内にも置いている。

マーケティングという、モノづくりから販路開拓、販促策などを総合的に行っていること、また他にもデザインだけでなく、スタイリスト、インテリアコーディネート、店舗内装など、環境を意識した仕事に携わっていること、会社設立当初から女性ばかりの会社であることなど、ハードとソフトの融合が重要なポイントであるためでもあるが、最も意識しているのが「日本」という、四季を感じることができる国に住んでいることだ。

日本に四季があることがどれだけ素晴らしいことか。そのことが知らず知らずのうちに気にならなくなり、年中同じ温度に保つエアコンなどが当たり前になり、ITの要素が大きくなるにつれ、自然を感じることができにくくなってきていることは、非常に残念でもある。バーチャルの世界で何でもできるようになり、草花や動物もバーチャルゲームで育てられるようになったことは、ある意味、本物を知らない世代が増えてくることとも考えられる。私は海外出張が多く、季節があまり感じられない国に行くたびに、日本の自然の四季の素晴らしさを感じる。

日本の四季の素晴らしさは自然界にもたくさんある

以前、地元の新聞の夕刊に週1回、初心者でも簡単にできるガーデニングのやり方をコラムとイラストで掲載していたことがある。その時には、オーガニックにこだわり、防虫薬品などを使わず、ナチュラルに育てることを基本として実践したことを紹介していた。元々都会育ちのため、農家の状況も知らず、田んぼには一回も入ったこともなかった私がガーデニングをやろうと思ったのは、今から30年近く前、助かる可能性が数パーセントしかないという大病をした時だった。

突然倒れ、開頭手術をすることになる2か月前に、徹夜続きの連日にもかかわらず、なぜかチューリップの球根を玄関前の庭に植えたことが始まりだった。

手術をし、リハビリを終えて自宅に戻ったのが4か月後だったが、その時、玄関前に50球ぐらい植えていたチューリップが見事に咲いて私を迎えてくれた。水やりも手入れもしていなかったのに、まるで私を待っていたかのように咲いていたチューリップで、生きる喜びをかみしめたことが、まるで昨日のことのように思い出される。その当時、植物の専門家である広島植物公園の栽培課長が近所に住んでいらして、動物や植物を育てて毎日見ることがとても良いリハビリになることも教わった。

それ以降、季節を感じる植物やハーブなどをオフィスでも、マンションのバルコニーにも育てることを積極的にやるようになった。

私の事務所は市内中心部のマンションの一階にあるが、このマンションの建設時に、事務所前にカスケードタイプのガーデンをつくり、そこには風にそよぐ「シマトネリコ」の木や季節の花、ハーブを植えて、弊社で手入れをするということを申し出た。

一般のマンションのエントランスにはマメツゲなど、手入れがあまりいらないものを植えるのが一般的であるが、何となく画一的なイメージだが、ここには主に宿根草や香りのよいハーブ、また球根類を植えて、季節を感じられるようにした。

毎日の手入れや水やりは大変であるが、私と社員は、小さなつぼみを持った花を見つけたり、ハーブの香りが良い時期を知ったり、また無農薬栽培をテーマにして、虫を割りばしで取ったり傷んだ葉を剪定したりしながら、薬を極力使わないようにすることで、日常の仕事では得られないナチュラルな日本の季節を感じるようになった。

今は日焼けを気にしながら毎朝少しずつ手入れをしているが、おかげで事務所内にも季節に合わせて、そこからとってきた花を活け、リラックスできる環境作りを意識している。

働き方改革が進み、時間や効率が意識されているが、それと同時にいかにメリハリをつけた生活ができるかということも大きなテーマになっている。

日本に住んで、季節が感じられる環境を作ることが贅沢ともいえる時代になってきた。できるだけ手入れを少なくするための工夫もしながら、事務所前のガーデニングを続けていこうと思っている。

事務所前で季節感を感じる

5月にたくさん白く小さな香りが良い花をつけた「すずらん」は花が終わり、緑の葉が美しい。紫の小さな花をたくさんつけたハーブ「ローズマリー」は風にそよいでリラックスできる香りを漂わせている。今年も昨年植えた、人の頭ほどの大きな花を咲かせる「カサブランカ」がたくさんつぼみを付けた。あと半月ほどで見事な花を咲かせてくれるはずだ。

今は「オールドイングリッシュローズ」がきれいな花をつけている。

毎年ガーデンのアクセントになっている「アマリリス」は、すべての花が咲き終わって休眠中。背丈が伸びて葉が付き始めた「フヨウ」は一か月後には真っ赤な花が咲くだろう。

「野イチゴ」はランナーを長く伸ばして小さな葉をたくさんつけている。

そのどれもが、宿根草や球根でそのまま植えっぱなし状態のものだ。そこに、チューリップなど、一年で終わる花を植えると、様々な色と香りが楽しめる。

マンションの住民の方達や、ご近所の方達もうちの事務所の前に立ち止まり、季節を感じてもらっているのもうれしい。

最も大きな効果が自分自身のリラクゼ―ション。四季に合わせた自然を愛でることは、仕事と同じぐらい大切で、日本ならではの贅沢な環境を作りたいと思っている。

※写真は全て筆者撮影

マーケティングコンサルタントとして、中小企業支援及び指導、商業活性化事業、まちづくり事業等、顧客のニーズを的確に捉えた市場開発とアプローチ手法等、幅広い分野におけるマーケティング全般のアドバイスを全国各地で手掛ける。また、平成19年度より地域資源活用事業の政策審議委員、国会での参考人をはじめ、全国で地域資源を活用した事業推進、農商工連携事業、JAPANブランドプロデューサーなど幅広く活躍中。

  • 経済産業省地域中小企業サポーター
  • 同、伝統的産業工芸品産地プロデューサー
  • 中小企業基盤整備機構経営支援アドバイザー
  • 同、地域ブランドアドバイザー
  • 内閣官房 地域活性化伝道師
  • 同、クールジャパン地域プロデューサー
  • 広島県総合計画審議会委員 他

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経済産業省 中国経済産業局 電子広報誌

ちゅうごく地域ナビ 2019年7月5日掲載

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