エッセイ│素敵・発見!マーケティング

付加価値を高める!
プロダクトデザイン・パッケージデザイン!

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株式会社クリエイティブ・ワイズ
代表取締役
三宅曜子

「ものづくり」のために大切な要素として『デザイン』がある。

世界中に数多く出ている様々な商品の中で、消費者が目に止めてくれるのはほんの一部の商品だが、その要因の中で大きく占めるものとして、商品の形や色、またパッケージの印象がある。

今回は、私が審査員の一人でもあり、今年(平成29年)の8月末に2日間審査して決定した優秀なデザインが今年の11月の表彰式でお披露目される『ひろしまグッドデザイン賞』から、商品のプロダクトデザインやパッケージデザインの重要性について考えてみたい。

平成6年度に創設し、隔年実施で今年が15回目の『ひろしまグッドデザイン賞』とは

“地元で生まれた優れたデザインの商品等を選定することにより、デザインに対する理解を深めていただくとともに、販売の促進やデザインにつながる産業の振興を図ることを目的とした顕彰制度”を広島市がスタートさせて、今年度(平成29年度)が15回目。今年度から新たに広域都市圏にまたがり、エリア拡大で進めていくこととなった。

ひろしまグッドデザイン賞ロゴマーク

今年度の目的は、これら広域都市圏に事業所を有する企業者が、製造又はデザイン開発した商品やパッケージの内、デザイン面・機能面で優れたものを「ひろしまグッドデザイン賞」受賞商品として選定・顕彰することにより、企業者のデザイン開発力を高めるとともに、生産・流通関係者及び市民のデザインに対する理解と関心を高めることである。

グランプリがプロダクト部門1点、パッケージ部門1点、準グランプリが同様に各1点。また特別賞1点、奨励賞が一定の選定基準を満たしているものとする。

地方でこのようなデザインに特化した顕彰制度はなく、しかも隔年実施で15回続いていることは地域活性化の要素としても、また企業の「良い商品、おいしい商品さえ作れば売れる」という考え方を是正するためにも、大きく貢献するものと思っている。

応募内容は下記の通り。

  1. 広島広域都市圏に事業所を有する製造・販売業者
    (ただし、販売業者の場合は、自社開発商品に限る)
  2. 広島広域都市圏に事業所を有するデザイン事業者
    (自社でデザインした商品及びパッケージについて、発注者の同意があれば応募できる。発注者は圏外の企業でも可)

応募対象商品は 広島広域都市圏に事業所を有する、企業もしくはデザイン事業者が製造又はデザイン開発した商品またはパッケージで、既に市販されているもの(平成30年3月31日までに販売が予定されているものを含む)。ただし、美術工芸品は対象外。

応募対象商品例としては、電気・機械機器、家具、インテリア・エクステリア用品、住宅環境機器、日用品、レジャー・ホビー商品、パッケージ(食品等)等。

ちなみに、今年からエリアが拡がった広島広域都市圏とは、

広島県:広島市(連携中枢都市)、呉市、竹原市、三原市、大竹市、東広島市、廿日市市、安芸高田市、江田島市、府中町、海田町、熊野町、坂町、安芸太田町、北広島町、大崎上島町、世羅町
山口県:岩国市、柳井市、周防大島町、和木町、上関町、田布施町、平生町〈計11市13町〉

となり、応募数も前回より大幅に増え、プロダクト部門が86点、パッケージ部門が75点と、計161点にも及んだ。

その分審査も大変で、6人の審査員は全員計5回の会議と審査を行う。

7月中旬に企業の応募商品内容をまとめたファイルをもらい、7月末までに一次の書類審査。その後8月末に現物審査と2回審査を行い、全企業に対するコメントを書き、企業に渡す。コメントは、商品のリニュ-アルや今後の商品開発に結び付けられるよう、アドバイスポイントを的確に記載していく。

仕事が終わった夜中に企業の商品コンセプトやデザイン自体、また作り手の思いなどを記載された提案書を丁寧に読み込み、採点していく作業は連日半徹夜状態で行う。

しかし、応募が多いということは、年々デザインに対する意識が高くなっていることでもあり、今後の商品開発時のアイデアにも結び付くことと思われるため、審査員は責任重大で、皆一生懸命一件ずつの内容を書類で確認し、現物審査では手に取り、大きなものは組み立ててもらい、会場に持って来ることができない住宅などは現地に行き審査を行う。

私はこれまで様々なコンテストや企画などの審査を行ってきたが、このグッドデザイン賞審査は自分の好みを殺し、あくまでもマーケティングの専門家として「いかに消費者に訴えられるか」、「いかに他社との差別化が出ているか」、「売れる商品になるか」などを徹底して追求しながら審査している。

結果として、プロダクトでのグランプリは「木聞器=KiKiKi」という、鉛筆状にした香りが良いウォルナットやブラックチェリー、ひのき、杉、ヒバなどのスティックを鉛筆削りのような木製の削り器で削ることにより、ふんわりとした香りが出て癒される空間が生まれるというもの。樹木が自然に持つ香りや美しさを愉しむ、全く新しいパーソナルリフレッシングプロダクトである。

ひろしまグッドデザイン賞ロゴマーク

準グランプリが「ヘッドライトテスター」。

車のヘッドライトの照射向きや明るさなど法令に定められた安全性を確保するためのテスト機器で、自動車メーカーや車検場で検査車両のヘッドライトの照射方向や明るさを測定する。この装置は徹底して無駄を省いた機能性が美しいだけでなく、使いやすい操作盤のレイアウトや移動のしやすさなどが素晴らしく、広島で一般的には知られていないこのようなメーカーがあることを知っていただくことは、自動車メーカーの本拠地でもあるこの地において、とても意義のあることだと思う。

ヘッドライトテスター(左:本体、右:使用イメージ)

デザイン部門でグランプリになったのは「ミカドレモン/MIKADO LEMON」という日本酒のスパークリングレモン酒のボトルパッケージ。レモンの皮を剥いた形をあしらい、UV印刷でレモンの皮の質感をそのまま生かしたデザインで、とてもインパクトがある。

広島は国産レモンの日本一の産地であるが、このパッケージはインバウンド訴求や海外にも「Made in HIROSHIMA」を知らしめるツールにもなると思われる。

ミカドレモン(左:全体、右:デザイン部拡大)

準グランプリが「瀬戸内之景」。醤油を中心に使用したドレッシングやだし等6種類が入ったギフト商品のパッケージとボトルラベル。穏やかな瀬戸内海の海と島々をデザインした優しいイメージのパッケージだ。小さ目なボトルは少人数家庭にもうれしいギフト商品となることだろう。

瀬戸内之景

今特に注目されているのが「らしさ」ということ。

日本らしさ、中国地方らしさ、広島らしさ、その企業らしさ、そのデザイナーらしさなど、単純に「個性」という一言でまとめられない、深い部分にまで入ったテーマやコンセプトをいかに表現するかが、今後ますます重要になってくる時代に既に入っている。

今一度、自社の「企業らしさ」を見つめ直すことも、これからの企業体質改善や企業個性に結び付くことになると思っている。

マーケティングコンサルタントとして、中小企業支援及び指導、商業活性化事業、まちづくり事業等、顧客のニーズを的確に捉えた市場開発とアプローチ手法等、幅広い分野におけるマーケティング全般のアドバイスを全国各地で手掛ける。また、平成19年度より地域資源活用事業の政策審議委員、国会での参考人をはじめ、全国で地域資源を活用した事業推進、農商工連携事業、JAPANブランドプロデューサーなど幅広く活躍中。

  • 経済産業省地域中小企業サポーター
  • 同、伝統的産業工芸品産地プロデューサー
  • 中小企業基盤整備機構経営支援アドバイザー
  • 同、地域ブランドアドバイザー
  • 内閣官房 地域活性化伝道師
  • 同、クールジャパン地域プロデューサー
  • 広島県総合計画審議会委員 他

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経済産業省 中国経済産業局 電子広報誌

ちゅうごく地域ナビ 2017年11月2日掲載

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