エッセイ│素敵・発見!マーケティング

展示会、商談会で
成功する方法とは

顔写真

株式会社クリエイティブ・ワイズ
代表取締役
三宅曜子

企業で展示会や商談会に出展し、自社商品やサービスを提案する機会も多いのではないだろうか。

私もこれまで多くの企業や自治体などの展示会や商談会にサポートをするために同行することがあるが、会場内を見ると、気になることも多々ある。

今回は『展示会や商談会で実需を獲得する、また成功する』ための方法を私なりにご紹介したい。

会場の様子
一生懸命提案することで、かえって何が言いたいのか解らなくなる場合

まずよく見受けられるのが、自社商品やサービスを一生懸命提案したいために時間がかかりすぎ、相手に伝わらない場合があること。

話には良く一般にいわれる『起承転結』が必要だ。特に自社製品やサービスを相手が全く知らず、初めて提案する場合には、その人の興味がどこにあるのかを探ることから始めたい。名刺交換をした時に、業種や職種、その人の役割などをしっかり見ること。

自社商品に興味がある、また関連性がある相手の場合は、どの部分が最も興味があるのかを相手の目線やしぐさで感じ取る。

入口で呼び込み

提案するときに商品を並べると思うが、最初から商品を並べるほうがいいのか、またはリーフレットなどの印刷物で紹介するほうがいいのか、ということもある。

相手が営業担当者の場合、商品がたくさん並んでしまうと目移りして話を聞いてくれなくなる場合がある。探しているものが何か、またどのようなものに興味を持っているかを受け取った名刺の内容で瞬時に判断し、自社商品の中で最も興味がありそうな部分をリーフレットなどで紹介する。

そのページを開け、提案商品の何が他社との大きな違いなのかを簡単にまとめて話す。

その時、相手の目線をよく見てみたい。

目線がそのページだけでなく、他のページに移る場合は、その商品には興味がないことになるので、すっと話を変える。

バイヤーと商談中
紹介するものを絞り込むことから行う

「このような商品はご興味がありますか?」と聞いてみるのも良い。

他の商品に興味があるようなら「どのような商品をお探しですか?」と伺ってみると、自社商品の中で適応できるものが見つかるので、そのページを出して、簡単に紹介する。

その時に写真だけでなく、文章まで見るようなら、その時がチャンス!商品を出して紹介しよう。「実は、この商品は〇〇〇という素材や成分が特徴で、とても人気があります」など、興味を喚起させるようなポイントを明確に話す。

食品なら、その時に少し試食を促し、さらに説明を加える。

たくさんの商品を提案するより、まず1品で勝負をかけたほうが決まりやすい。

アイテム集中型展示

なぜなら、相手はほかの企業も回ることが多いため、インパクトを持たせるために、一つのモノから攻めていくことが、後から再度詰めを行うことができるからだ。

受け持つ時間はそう多くはないため、バリエーションなどは、試食をしているときに話し、興味を持たれたら、せめて2品程度を勧めてみる。

簡潔に対応することが成功に結び付くのだ。

商談シートに入れておくべきもの、入れないほうが良いもの

また、必ず必要なのが『商談シート(商品規格書)』だ。特に食品の場合、その中には、内容成分、原産地は必ず記入しておく。また卸売価格は、記載せずに後日要相談としておく。ただし、賞味期限や最低ロット、保存方法、HACCP対応などは記述が必要だ。

食品以外の場合、特許取得(取得中)なども入れておきたい。受注後納品までかかる納期日数や送料はどちらが持つのかなども必要。

しかし、注意したいのが、最近多い模倣商品の出現だ。やたらサンプルを欲しがる場合は注意する必要がある。サンプルはできるだけその場で渡さず、名刺をもらってからホームページやネットなど、企業情報を調べてから後で送付したほうが賢明な場合もある。

私は海外の展示会で、何度もすぐにサンプルが欲しい、詳細が載っているツールが欲しいと言われ、喜んですぐに渡してしまい、ものの1~2か月で同じようなものが他国で作られるのを目のあたりにしている。日本人は優しく人を疑わない人が多いため、マネされてしまい、後で泣きを見ることもよく見受けられた。

今は海外の展示会出展も多くなってきているが、言葉がわからないからとすぐに「yes」と言ってしまってはいけない。通訳が付いている場合は、その通訳に相手の名刺内容や話している内容で、気になる部分がある場合はきちんと聞くことが必要である。

ヨーロッパの展示会などでは、他国の事業者はサンプルも試食も、名刺をもらい、商談してからでなければ行わないし、リーフレットも簡易的なもののみ。商談シートも詳細は後日メールで送るなど模倣されることに注意しているが、日本人はすぐに渡してしまう場合が多いようだ、気を付けたい。

国内での商談会の場合も同様で、最近は海外からのバイヤーも多くなってきているが、写真を撮りたがる人もいるため、「写真はお断り」を明確に訴えたほうがよい。

展示商談会では、あまりたくさん置かない

展示会の場合、企業により展示方法は違っているが、ポイントは『たくさん置かない』こと。たくさん置いていると、バイヤーなどはやはり目移りしてしまい、見るだけで疲れてしまう場合がある。自社ブースの前で立ち止まったときに気を付けてみたいのが『どの商品を見ているのか』だ。様々なブースに立ち寄り、気になるものがある時には、商談したいものだけを見るようになる。

自社商品で一番売りたいものを床から1.2m~1.3mの位置(ゴールデンゾーン)に置いておくと目につきやすい。また、商品のそばにPOPで、他社との違いのPRポイントを端的に短い文章で書いておくと、より目につきやすい。

立体的に並べ目に留まりやすく

相手が立ち止まったときに、見ている商品をさっと手に取り、簡単に説明することで、聞く気になっているかどうかを判断し、聞く気になっているようなら、更に追加で説明を行う。その後、自社で最もPRしたいものを紹介する。

紹介するときに食品なら、まず名刺交換をし、試食するかどうかを尋ね、試食を希望するなら、そのリーフレットを見てもらいながら試食の準備をする。ただし、あまり量はいらないので、少しだけ試食皿に入れて渡す。その時にはまだ商談シートは渡さない。

試食をあえてすぐに出さない方法

試食をしてすぐに立ち去る場合は、興味がないという証拠だからだ。

立ち去らないようなら、さらに説明を行い、特徴などを話すとともに、相手がどのような立場で何を探しているのかを聞き取ることも重要である。自分だけが話していると飽きられてしまうから、相手にも話を振ることもポイントとして覚えておきたい。

クロージングの大切さ

『いける!』と思ったら、サンプルや商品リーフレット、会社概要などを後日送るので送り先を教えてもらう。その時、必ず名刺をもらうことを忘れないようにしたい。

それから終了後に帰社してからその企業を調べ、お礼メールを出し、反応を見ることも重要だ。大きな商談に結び付く可能性があるからだ。

商談というものは、ある意味では駆け引きともいえる。

展示会や商談会はあくまでもきっかけづくりに過ぎない。

小さなスペースでも商談は可能

そのきっかけで掴みを感じ、その後の電話やメール、お礼状の手紙などのやり取りで本来の商談が決定する。

展示会や商談会で掴んだ情報は宝の山でもある。その後が重要なので名刺の整理だけでなく、名刺の裏に商談の可能性があるかどうか、またどのような人物なのかをメモしておき、それを基に営業を行っていくことも成功に結び付く要素となるので、そのような機会があれば、ぜひ実行してみてはいかがですか?

分かりやすくディスプレイされているブース

マーケティングコンサルタントとして、中小企業支援及び指導、商業活性化事業、まちづくり事業等、顧客のニーズを的確に捉えた市場開発とアプローチ手法等、幅広い分野におけるマーケティング全般のアドバイスを全国各地で手掛ける。また、平成19年度より地域資源活用事業の政策審議委員、国会での参考人をはじめ、全国で地域資源を活用した事業推進、農商工連携事業、JAPANブランドプロデューサーなど幅広く活躍中。

  • 経済産業省地域中小企業サポーター
  • 同、伝統的産業工芸品産地プロデューサー
  • 中小企業基盤整備機構経営支援アドバイザー
  • 同、地域ブランドアドバイザー
  • 内閣官房 地域活性化伝道師
  • 同、クールジャパン地域プロデューサー
  • 広島県総合計画審議会委員 他

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経済産業省 中国経済産業局 電子広報誌

ちゅうごく地域ナビ 2017年5月15日掲載

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