素敵・発見!マーケティング
地域の特産素材でスィーツづくり
2026年2月19日
代表取締役 三宅 曜子
このところ新しいスィーツがクローズアップされている。
特にその地域で多くとれる特産材料を使用した、こだわりのある商品が出てくるようになった。男性もスィーツを食べるようになったことも大きなポイントだ。
全国各地で特徴のある素材で様々なスィーツが作られていて、羽田空港のターミナルにあるスィーツ売り場や東京駅には年々面積や店舗数が多くなってきている。
その中で注目したいのが、今まで『比較的長く持つスィーツ』から、『できるだけ早く食べてもらうスィーツ』に変化していることだ。
それはできるだけ添加物や保存剤を使わず、ナチュラルで安心できるものが注目されている点である。
今、日本はアトピーやアレルギーの疾患をもつ人が多くなったこともあり、できるだけ防腐剤、着色料、甘味料、香料、酸化防止剤などを使わずに作ることを決めた。
私が商品開発を依頼されて製造しているのが、北海道十勝更別村の特産素材を使ったスィーツである。
北海道十勝の特産品素材からピックアップ!
まずベースとなるのが北海道産強力粉の『キタノアカリ』。それに北海道が最も収穫量が多い金時豆、小豆、手亡豆(白あんの原料となる小ぶりの豆)。砂糖は北海道だけでしかとれない甜菜糖(ビート糖。まろやかな甘みとコクが特徴で、オリゴ糖やミネラル分を多く含んでいるため、健康志向の方に人気)、それに北海道らしいチーズ、特に男性にも人気の抹茶、チョコレートを使い、作ることにした。
ベースとなる強力粉を使って焼いたシュトロイゼルに金時豆、小豆、手亡でかたちを崩さないようにして甘く煮た甘納豆状の豆を敷き詰め、チーズフィリング、抹茶フィリング、チョコレートフィリングを流し込み、アルコールを飛ばしたラム酒で香りを付けて焼き上げて6センチ×3センチ×高さ2センチ程度に切ってラッピングをするスタイルにした。
試作品づくりは思った以上に大変な作業を行う
レシピを私と大阪の料理学校の先生と一緒につくり、材料を送ってもらいテストを繰り返したが、何度も割合を変えたり、味を変えたりと、すぐには完成しないのが商品開発だが、最も大変だったのが、豆の皮が取れたり崩れたりしたことで使えなくなる材料も多いことだ。通常の煮豆の作り方では難しい、スィーツでかたちをきれいに保つようにして、しかも焼いて崩れないようにするのもハードルが高い。量産するため、色々と工夫しながらなんとか形になった。
そうして出来上がったテスト用完成品を、レシピとともに北海道十勝のパティシエに送り、今度は北海道まで行き、作り方のポイントや見た目の美しさも考慮した試作品づくりをサポートしながら行ったが、やはり豆を崩さず、形がきれいな状態にするのが難しい。
何度もやり直してやっと試作品が出来上がった。
3種類を各200人分、合計600個を十勝更別村の職員とJA職員とで試食会を開き、全員に詳細なアンケートをとり、それをもとにさらに修正をかける。
このアンケートが今後首都圏など地元以外の売り場で高級スィーツとしてうれるかどうかのマーケティング調査の一環になる。
その後、2026年3月に東京ビッグサイトで行われるフーデックスで来場者に試食してもらい、地元同様、アンケート調査を行い、その意見をもとにさらに売れるような商品にするために開発を続けて、やっと世の中に出せるようになるのだ。
その時は、添加物も保存剤も使わずある程度持つようにするだけでなく、持ち運びして崩れないようにすることも重要なテーマになる。
このようにして売れる商品開発を行っていくのだ。
ハードルは何層にも行ったうえで初めて商品が生まれていく。
とても大変な作業なのだ。
商品開発は重いだけではなかなか売れるものはできない。何度も何度も修正しながらステップアップして納得がいく商品に仕上がるのだ。

3種類のスイーツトリミング

チョコレートのブランデーケーキトリミング
著者 / 株式会社クリエイティブ・ワイズ 代表取締役 三宅 曜子
マーケティングコンサルタントとして、中小企業支援及び指導、商業活性化事業、まちづくり事業等、顧客のニーズを的確に捉えた市場開発とアプローチ手法等、幅広い分野におけるマーケティング全般のアドバイスを全国各地で手掛ける。また、平成19年度より地域資源活用事業の政策審議委員、国会での参考人をはじめ、全国で地域資源を活用した事業推進、農商工連携事業、JAPANブランドプロデューサーなど幅広く活躍中。
- 経済産業省地域中小企業サポーター
- 同、伝統的産業工芸品産地プロデューサー
- 広島市産業振興センター経営支援アドバイザー
- 内閣官房 地域活性化伝道師
- 同、クールジャパン地域プロデューサー
- 広島グッドデザイン賞、石川県、富山県 他ブランド審査委員 他