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素敵・発見!マーケティング

日本と海外のビジネス連携と展開

2026年1月23日
株式会社クリエイティブ・ワイズ
代表取締役 三宅 曜子

日本の紙幣に使われている紙はネパール製

一昨年、日本の紙幣はすべて刷新された。
 千円札、5千円札、1万円札、そのすべての紙幣の用紙はネパールの紙で作られている。
 昔は『コウゾ、ミツマタ』から作られる和紙は日本産だったが、国内の生産地の過疎化などから、調達できなくなった。
 特に日本の紙幣原料のミツマタは繊維が強く、独特の手触りがあることから、長く使われていたが、1990年、当時の大蔵省印刷局長が国内のミツマタ不足を知り、ネパールで栽培の調査を始めた。ネパールでの栽培は軌道に乗り、2010年に48トンを印刷局に納入。規模は年々増加して2010年から本格的にネパール産の原料を使うことになった。
 ネパールは日本の気候に近く、ミツマタの近縁種『アルゲリ』はネパールに自生しており、日本のミツマタと同じ属で、樹皮の繊維が紙の原料に最適だった。その伝統的な栽培方法や栽培技術も優れていることなどが、ミツマタ繊維の特性である強靭さや耐久性と印刷特性に寄与している。またネパール産は国産の4分の1ほどの価格で調達でき、紙幣の製造コストを抑えられる利点もある。
 この特性は偽造防止にも効果的であり、安定した供給と環境配慮も大きなメリットだ。世界各国のお札にも独自の素材と技術が使われているが、日本の紙幣はその中でも高品質を誇る。日常的に使用する紙幣の90%がネパール産になった背景には、こうした多くの努力と工夫があるのだ。新しい紙幣が海外産であることは、日本と海外をつなぐ大きな要素にもなっている。

海外展開事業の拡大

今月の15日、16日と私は三重県津市の経営支援課からの依頼でJETRO三重の所長(ミャンマー出身のクン トゥーレイン所長)、本部の米国調査部の担当者滝本氏と共に、海外の輸出入を含めた商品開発や販路開拓などのセミナーと個別相談を行った。
 セミナー会場には100名以上の企業参加者が来場され、個別相談もその日を含め、3月までに4回行うことになり、ほぼ埋まっていて、海外に対する意識が非常に強いことが顕著に表れていた。
 今、日本は円安の影響もあり、商品やサービスの海外展開や海外進出を希望する企業が増えてきているが、海外から日本に入るものも非常に多くなってきている。
 日本は島国であることから陸続きの国と比べて、他国からの侵略などマイナス要素が少ない国であるが、逆に農水産や畜産物の栽培や林業なども栽培育成面積が狭く、海外からの輸入に頼らなければ現状は難しい状況である。今中国との貿易関連で問題が起きていることや、アメリカとの貿易関係も変わってきていることも、今後の影響が出てくる可能性がある。
 そんな中で、このところの円安の影響で海外に輸出したいと考えている企業も多くなってきている。
 私はコロナ前の年間1/3が海外関連の仕事をしていたため、この企業の状況はとてもうれしいと思っている。
 しかし、この海外の輸出入展開に関する内容とそのための商品開発や販路などを今までやってきていなかった企業は知らないことも多いのが現状だ。

海外への輸出入で注意しなければならないポイント

例えば、日本では加工食品に添加物や保存剤が含まれているものが多いが、特にEUではオーガニックが一般的で、今まで使っていたこれらの添加物を使わない商品を輸出する必要がある。
 またアセアン諸国の中でムスリムがメインの国ではHALAL食品でなければ食べることができないことも意識する必要がある。
 これは豚肉やその加工品、スープなどに豚由来のエキスが入っているだけで輸入できない。アルコールもお酒類だけでなく、例えば味醂など酒関連素材も使えない。
 食品関連の場合は、ムスリムがメインの国に対しては、国内でHALAL認証を受けた商品だけが輸出できる。
 これら商品のことだけでなく、物流に関しても注意しなければならないことが多い。
 重量が重たくなると物流コストが高くなってくるが、航空便なのか船便なのか、船便の場合は、保存期間を意識するとともに、どの港から出して、その国のどの港に着けるか、そこからの陸送に関しても考えなければならない。
 輸入時には、国内での配送に関しても、店頭に並ぶまでの期間は長くなってくるため、保存に関する要素はとても重要である。
 輸入に関しても、注意しなければならないことも多い。
 賞味期限に関しては、国によって基準が違うので、その点も注意が必要で、消費者は賞味期限が短い商品は購入しないため、結局残ってしまう。
 またアジア圏やアセアン諸国からの輸入商品などで、食品以外の工芸品なども、契約書を交わさずに輸入してしまう場合もあるが、突然輸入できなくなってしまったり、数量や価格が替わったりということもある。商社を通すことでその点は安心であるが、コスト面では価格が高くなってくる。
 日本に入ってからの検査や陸送をどうするかも価格面での差が出てくる。
 私は輸出入を検討する場合、その地域にあるJETROや輸出入対象国に駐在しているJETROにまず相談することが第一歩になると思っている。
 敷居が高く相談できにくいと思っている企業もあるが、まずメールでの相談や、あらかじめ内容を伝えて相談予約をとってからJETROに行くことも早く解決すると思っている。
 展示会に出たい場合も含め、国や県の補助事業を活用することも、負担軽減にもつながるため、積極的に活用するとよいと思っている。
 今後ますます海外との連携や輸出入が多くなってくることは間違いないことであるし、言葉の問題もJETROから紹介してもらうことで解決す恵右場合も多い。
 不安に思うことは何でも相談して、新しいビジネス展開を組み立てる年になってほしいと思っている。

日本の新札

三重でのセミナー①

三重でのセミナー②

三重でのセミナー③

著者 / 株式会社クリエイティブ・ワイズ 代表取締役 三宅 曜子

マーケティングコンサルタントとして、中小企業支援及び指導、商業活性化事業、まちづくり事業等、顧客のニーズを的確に捉えた市場開発とアプローチ手法等、幅広い分野におけるマーケティング全般のアドバイスを全国各地で手掛ける。また、平成19年度より地域資源活用事業の政策審議委員、国会での参考人をはじめ、全国で地域資源を活用した事業推進、農商工連携事業、JAPANブランドプロデューサーなど幅広く活躍中。

  • 経済産業省地域中小企業サポーター
  • 同、伝統的産業工芸品産地プロデューサー
  • 広島市産業振興センター経営支援アドバイザー
  • 内閣官房 地域活性化伝道師
  • 同、クールジャパン地域プロデューサー
  • 広島グッドデザイン賞、石川県、富山県 他ブランド審査委員 他


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