素敵・発見!マーケティング
5月の山海の御馳走素材
2024年5月17日
代表取締役 三宅 曜子
今年のゴールデンウィークは長くできなかった『フラワーフェスティバル』が開催され、私の事務所前が出発点だったため、とても賑やかだった。
私は毎年この時期には横浜に戻っていたが、今年はインバウンドで交通機関も良い便が取れなかったことや、横浜が国内外からの観光客で大変だから帰らないほうが良いと母や妹から言われたため、初めておとなしく広島にいることにした。
この時期にはいつも友人から山菜やタケノコをいただくので、ゴールデンウィークは山菜を様々な料理にして山菜尽くしを堪能した。
広島の山間部で取れる山菜は豊富な山の幸
最初に持ってきてもらったのが、いたどり。
私は横浜で育ったので、山菜類は広島に来て初めて知ったものが多く、中でも広島弁で『カッポン』という『いたどり』は全く知らなかった。まるで竹の細長い枝状のような山菜で、60センチぐらいの長さのものを8本、それと下ごしらえをして1.5センチ程度の斜め切りにしたものを持ってきてくれた。
料理の前にしなければならないのが、皮をむいてカットしたものを重曹を入れ沸騰したお湯でゆでて数回水を替えながらあく抜きをすると酸味がとれて調理しやすくなる。
その後、沢山の山菜を持ってきてくれた。
セリ、タラの芽、わらび、ぜんまい、ノカンゾウ、よもぎ、こしあぶら、カラスノエンドウの新芽、はこべら。
私はこんなにたくさんの山菜がどこにどのように生えているのかすら知らなかったが、あく抜きの仕方や調理例などを山菜取りのプロ級の友人から教えてもらったり、netで調べながら連休中にチャレンジした。
あまりにも種類が多く、いただいた山菜が何なのかがわからず、何度も友人に電話をして写真を送り問い合わせたりあわただしく過ごした。
自宅で山の春をいろいろな調理で堪能したが、どれもとてもおいしく、春を感じることができた。
ゴールデンウィークが終わり、平和大通りの車通行ができるようになったときに、筍をたくさん持ってきてもらった。
私が下ごしらえに手こずるだろうと、皮をむき、ゆでたものを持ってきてもらったのですぐに筍ご飯と、筍とわかめ、マイタケで煮物を作ることにした。
日頃はなかなか時間をかけて調理をすることができないが、連休中に時間をかけて山菜調理に向かったので、ゆでたけのこはすぐに調理ができて、簡単に食べることができた。
もともと調理師やフードコーディネーターの資格を持っているのに、このような自然素材を調理することはなかなか日頃できなかったので、とても有意義な時間を過ごすことができた。
大潮の時に岩ガキを取り、持ってきてくれた
やっと春の山菜チャレンジができた頃、大潮の日に広島にある島の岩場で岩ガキ取りに行ったとのことで、ネットに入れた岩ガキを持ってきてくれた。
これは彼女の知り合いの漁業権を持つプロの男性と一緒に行ったようだ。
女性なのに、岩ガキのゴツゴツした大きな塊をケガもせずに取るなんてとまずびっくり!とにかくごつごつ感がすごい!
岩ガキは、以前隠岐の島の岩ガキのマーケティングで、『岩ガキのカンカン焼き』をブランディングしたことがあり、調理は知っていたが、自宅での調理前段階の、まず殻を外すことをどうするか悩んだ。
とにかく、隠岐の島の岩ガキは今回のようにいろいろなものが付いていなくてごつごつ感がなく、今回のものと全く違い、とても楽だったし、野外で一斗缶に入れたものをそのままバーベキューのように焼くとすぐに食べられたが、それとは全く違い、キッチンでどうするか、殻についているフジツボやカニの赤ちゃん、他の小さな貝の塊を外すことがどうしてもできない。
結局、牡蠣の周りの小さな塊を金づちでたたいて取れるだけ取ることにした。
その後、悩んだ末に、その塊のままレンジ加熱して岩ガキのふたを開けることにした。
時間はかかったが何とか少し開けることができたので、それをナイフでこじ開けた。
たぶん3年ものぐらいの大きな塊だったが、牡蠣そのものは意外と小さい。
しかし貝柱は立派な大きさだったので、これからまだ大きく成長するはずだ。
網に大きな塊の岩ガキ4個入れて持ってきてもらったが、中の身だけにして、フライパンでバター焼きにしていただいた。
おいしいものを食べるためには、色々な苦労がつきものだということを改めて分かったゴールデンウィーク前後の毎日だった。
しかし、まだまだ知らないことがたくさんある中国地域で、春夏秋冬、山歩きや海の近くまで行くのは、健康のためにも、勉強のためにも必要なことだと思うので、仕事での出張だけでなく、自然との遊びを満喫することをこれからしたいと思った。

いたどり

いただいたタラの芽

ノカンゾウ

クレソン

フキ

こしあぶら

ゆでたセリをごま油と醤油で炒め鰹節をかけて

一晩かけて筍をゆでる

苦労して殻を外し、バター炒めした岩ガキ
著者 / 株式会社クリエイティブ・ワイズ 代表取締役 三宅 曜子
マーケティングコンサルタントとして、中小企業支援及び指導、商業活性化事業、まちづくり事業等、顧客のニーズを的確に捉えた市場開発とアプローチ手法等、幅広い分野におけるマーケティング全般のアドバイスを全国各地で手掛ける。また、平成19年度より地域資源活用事業の政策審議委員、国会での参考人をはじめ、全国で地域資源を活用した事業推進、農商工連携事業、JAPANブランドプロデューサーなど幅広く活躍中。
- 経済産業省地域中小企業サポーター
- 同、伝統的産業工芸品産地プロデューサー
- 中小企業基盤整備機構経営支援アドバイザー
- 同、地域ブランドアドバイザー
- 内閣官房 地域活性化伝道師
- 同、クールジャパン地域プロデューサー
- 広島県総合計画審議会委員 他