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製品安全情報

配線器具の事故

2025年12月2日
独立行政法人 製品評価技術基盤機構
中国支所 TEL:082-211-0411

NITEに集約される製品安全に関する情報

年末大掃除の時期ですね。ご家庭内ではキッチン周りやリビングなどを掃除されるかと思いますが、みなさんは配線器具(※1)にもちゃんと掃除の目は行き届いていますか。

配線器具は普段何気なく使用しているものの、めったに動かさない家具や荷物の裏など、一度接続してしまえば差されたままで普段は意識することが少ないかもしれません。NITEに報告される配線器具の事故の中には、使い方や設置状況に原因があった事故のほかにも、ほこりがたまっていたなど掃除をおろそかにしていたことによると思われる事故があります。

今回は、配線器具の事故を防ぐためのお掃除ポイント、使い方や設置上の注意点などをご紹介します。これらは大掃除に限らず、日頃の生活でも意識するよう心掛けてくださいね。

(※1)今回取り上げるのは、コンセント、マルチタップ、延長コード、テーブルタップの4器具です。

【事故事例1】

 延長コード付近から出火し、周辺を焼損しました。(2024年 千葉県)

→延長コードの差込みプラグと壁コンセントとの間にほこり等が堆積し、トラッキング現象が生じ焼損したものと推定されます。

【事故事例2】

テーブルタップに電気製品を接続していたところ、テーブルタップを溶融する火災が発生しました。(2022年 神奈川県)

電源プラグの栓刃 変形例

テーブルタップに接続されていたスポットエアコンの電源プラグの栓刃に変形が認められたことから、テーブルタップの刃受け金具と電源プラグの栓刃との間で製品使用時に接触不良が生じて異常発熱し、出火したものと推定されます。

【事故事例3】

テーブルタップに電気製品を接続していたところ、テーブルタップ及び周辺を焼損する火災が発生しました。(2022年 大阪府)

→使用者は、日常的に電気掃除機をテーブルタップに接続して、電源コードが伸びきった状態で使用していたとの申出内容でした。
テーブルタップの電源プラグ栓刃可動部に外力が加わったため、カシメ部が緩み接触不良が生じ、異常発熱して焼損したものと推定されます。

【事故事例4】

コンセント及び周辺を焼損する火災が発生しました。(2022年 埼玉県)

→二口のコンセントに、上側は1200Wの電気冷温風機、下側にはテーブルタップを介して500Wの電気こたつと149Wの液晶テレビ等が接続され、各製品を使用中にコンセントの上側から出火しました。
コンセントに接続可能な最大電力を超えて電気製品を接続し使用していたため、刃受け金具と栓刃の接触部で異常発熱し、差込口が焼損したものと推定されます。また、コンセントは長期使用(46年)されていたもので、刃受け金具の接触抵抗が増加していたことも事故発生に影響したものと推定されます。

気を付けるポイント(配線器具の事故を防ぐためのお掃除ポイント)

○電源プラグ及び電源タップは小まめに掃除し、水分がかからないようにする。

電源プラグはコンセントや電源タップとの間に隙間が生じないようにしっかりと差し込み、定期的に掃除してほこりを取り除いてください。
電源プラグをコンセントや電源タップとの間に隙間がある状態で差したままにすると、隙間にほこりがたまって表面に水分が付着したり、水分が内部に浸入したりしてショートやトラッキング現象が生じるおそれがあります。
観賞魚水槽などの水気の近くは、特に注意が必要です。配線器具に水がかからないよう水槽と距離をとる、配線器具を水槽の下方ではなく上方に設置するなど、配置に留意してください。

○電源プラグが変形していないか確認する。

電源プラグが変形した状態で使用すると、コンセントの刃受け金具と正常に接触せず、異常発熱や発火に至るおそれがあります。
テーブルタップを踏みつけてしまったり、コンセントから力任せに引き抜いてしまったりした際に電源プラグは変形します。
設置場所や抜き差しに注意してください。電源プラグが変形した場合は使用を中止し、メーカーや販売店にご相談ください。

○電源コードを引っ張る、机や椅子の脚で踏むなど、無理な力が加わった形跡を確認する。

延長コードやテーブルタップの電源コードを折り曲げる、踏みつける、引っ張るといった、外部から電源コードに無理な力が加わる使い方をすると、電源コードの芯線が断線して、異常発熱や発火に至るおそれがあります。
机や椅子の脚などでコードを踏みつけたり、足に引っ掛けたりしないよう、配線は設置状況に注意し、電源プラグは電源コードではなくプラグ本体を持って抜き差してください。

○接続可能な最大消費電力を超えて使っていないか確認する。

テーブルタップなどには接続可能な最大消費電力または定格電流(何アンペアまで接続できるか)が定められています。接続可能な最大消費電力や定格電流を超えると発熱を生じ、コンセント部の刃受け金具と電源プラグの栓刃の接触が緩い箇所で異常発熱したり、電源コードの絶縁被覆が破損してショートしたりして発火するなどの事故につながります。

○異常発熱や異臭など、異変を見つけたら直ちに使用を中止する。

もし以下にしめすような異常がある場合は使用を中止してください。

  • 異常に熱くなる
  • 電源プラグの抜き差しが緩い
  • コードを動かすと、接続している機器の電源がついたり消えたり挙動がおかしい
  • 焦げたにおいなどの異臭がする

なお、配線器具にも寿命があり、劣化によって異常が生じ、事故に至る可能性もあります。工業会や各メーカーから、製品交換の目安などの情報も発信されていますので、買い換えの参考にしてください。

(参照:一般社団法人日本配線システム工業会(JEWA) 配線器具について

新作映像資料

・その他「1.配線器具の5つのチェックポイント」(外部リンク)

製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況(10月19日~11月1日受付70件)

NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名 事故状況と件数
1. モバイルバッテリー 火災等 8件
2. 玩具 火災等 6件
3. 電子レンジ 火災等 5件
3. 電動工具(バッテリーパックなど) 火災等 5件
5. 電気ケトル 火災等 4件
5. 電気カミソリ(充電式) 火災等 4件

最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)

最新事故情報(外部リンク)


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