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製品安全情報

「シルバーカー・歩⾏⾞、電動⾞いす、電動アシスト⾃転⾞の事故

2025年10月1日
独立行政法人 製品評価技術基盤機構
中国支所 TEL:082-211-0411

NITEに集約される製品安全に関する情報

製品評価技術基盤機構(NITE)では、NITEに集約される製品安全に関する情報を製品事故の未然・再発防止の観点から、製品安全情報メールマガジン(PSマガジン)によってタイムリーに提供しています。

今回は、アクティブシニア向け製品の事故事例と、事故を防ぐためのポイントを事故事例と併せてご紹介します。

アクティブシニア向け製品とは、⽇常的に外出等を⾏う活動的な⾼齢者の⾃⽴や外出を支える⼤切な道具で、今回はこの中から「シルバーカー・歩⾏⾞」や「電動⾞いす」、「電動アシスト⾃転⾞」を取り上げました。

これらの製品による事故は、これまで数多く報告されており、重傷や死亡に至るケースも少なくありません。活動的な⾼齢者の⾃⽴や外出を支える⼤切な道具である⼀⽅、使い⽅を誤ると重⼤な事故につながる可能性もあります。ご本人とそのご家族や介助される⽅々を交えてご⼀読ください。

【事故について】

【事故事例1】

歩⾏⾞を使⽤中、転倒し、左腕を負傷しました。(2018年2月静岡県80歳代⼥性重症)

シルバーカー

→後ろ向きに引っ張っていたときに前輪が段差に引っ掛かり、バランスを崩して転倒したものと推定されます。

<参考>シルバーカーは、⾃⽴して歩ける⾼齢者が荷物の運搬や休憩のために使う補助具で、バー型のハンドルが特徴です。歩⾏⾞は、歩⾏に⽀えが必要な⽅が体を預けながら安全に歩くための補助具で、コの字型のハンドルを持ちます。目的も構造も異なるため、使用者の状態に応じて選ぶことが⼤切です。

【事故事例2】

電動⾞いすで⾛⾏中、畑に転落して死亡しました。(2022年9月⻑野県90歳代男性死亡)

ハンドル形電動⾞いす

→使用者が運転操作を誤り、柵のない駐⾞場から崖下に転落したものと推定されます。

<参考>電動⾞いすは、電動モーターで動く、操作が簡単な移動支援用の乗り物です。⾃分の手でこがなくても、また、介助者が押して歩かなくても、ボタンやジョイスティックでスムーズに移動できます。電動⾞いすの種類は操作⽅式により、ハンドルのボタンや操作レバーで操作をする「ハンドル形」とジョイスティックレバーで操作をする「ジョイスティック形」があり、いずれも道路交通法上では歩⾏者扱いとなります。

【事故事例3】

電動アシスト⾃転⾞で⾛⾏中、壁にぶつかったと思われる死亡事故が発⽣しました。(2010年7月大阪府60歳代⼥性死亡)

電動アシスト⾃転⾞

→前後のブレーキの効きが悪いことを知りつつも使用し、後輪ブレーキが効かない状況下で、前輪ブレーキワイヤーが切れたため、坂道上で止まることができず、壁に衝突したものと推定されます。

<参考>電動アシスト⾃転⾞は、ペダルをこぐ⼒をモーターが補助してくれる乗り物で、坂道や発進時でも小さな⼒でスムーズに⾛れます。⾼齢者にとっては、足腰への負担を減らしながら安全に移動できる手段となり、外出の不安を軽減して活動の幅を広げてくれます。

気を付けるポイント

●シルバーカー・歩⾏⾞で気を付けるポイント


(1)身体の状態に適しているかを専門家に確認する。

歩⾏能⼒が著しく低下している場合や、バランス感覚に⼤きな不安がある場合には、これらの製品を使用することでかえって危険を伴うこともあります。
 使用前には医療・介護の専門家に相談し、実際の歩⾏状況の観察を通じて、これらの製品の使用が本人にとって安全かつ有効であるかを慎重に判断するようにしましょう。

(2)利⽤する道路環境を介助者とともにあらかじめ確認する。

初めてシルバーカーや歩⾏⾞を使って道路に出るときは、ご家族や介助者などと⼀緒に歩⾏練習を⾏い、交通ルールや安全な通⾏順路を確認してください。また、事前に道路環境を確認し、段差がある箇所、横断に時間のかかる広い道路や信号のない交差点などのような危険な道路、危険箇所には近づかず、避けるようにしましょう。
 また、急な坂道段差がある箇所ではなくスロープを使用するなど、安全な道を選びましょう。やむを得ずそのような場所を通⾏する必要がある場合は、転倒などの事故を防ぐために、段差の前では⼀旦停止し、慎重に乗り越えるなど、無理のない動作を⼼がけましょう。必要に応じて、介助者の支援を受けるようにしてください。

(3)正しい⾼さに調整し、重い荷物を載せる、ペットをつなぐなど無理な使⽤をしない。

シルバーカー・歩⾏⾞を安全に使用するためには、使用者の体格や歩⾏状態に合わせて正しい⾼さに調整することが⼤切です。使用前には、適切な⾼さや荷物の積載可能重量荷物の量などを確認し、無理のない適切な使い⽅を⼼がけましょう。
 また、ペットをつなぐことは避けましょう。ペットが予想外の動きをすると、シルバーカー・歩⾏⾞が引っ張られて転倒や衝突の危険が生じる可能性があります。

●電動⾞いすで気を付けるポイント


(1)利⽤する道路環境を介助者とともにあらかじめ確認する。

初めて道路に出るときはご家族や介助者等と⼀緒に、⾛⾏練習や交通ルール、安全な通⾏順路を確認しましょう。また、事前に道路環境を確認し、転落のおそれのある、ガードレールのない崖や蓋のない側溝など、危険箇所には近づかず、避けるようにしましょう。やむを得ず⾛⾏する必要がある場合は、脱輪防止のため踏切や道の端を⾛⾏しないようにしましょう。

(2)乗⾞前にバッテリーの状態を確認する。

電動⾞いすを使用する際には、バッテリー残量を必ず確認しましょう。残量が少ないまま利用すると、途中でバッテリーが切れてしまい、帰宅できない、踏切内で停止し、電⾞と接触してしまうなどのおそれがあります。

(3)転倒防止装置がある場合は機能しているか等、乗⾞前点検、定期点検を⾏う。

電動⾞いすを使用する前には、転倒防止装置がある場合は正常に機能しているかを確認しましょう。また、乗⾞前にハンドルやアクセルレバーに緩みがないか、タイヤに⻲裂がないかなどを点検することも、製品の故障による事故の防止につながります。
 さらに、定期的に取扱店などで専門の点検を受けることも⼤切です。不具合のある状態で使用すると、けがをしたり電動⾞いすを損傷したりする原因になります。

●電動アシスト⾃転⾞で気を付けるポイント


(1)初期点検は必ず受ける。乗⾞前に点検を⾏う。

⾃転⾞を購⼊してから1か月ほど経過したら必ず初期点検を受けましょう。⾃転⾞は新⾞で乗り始めてからしばらくするとブレーキワイヤーなどが伸びます。再度調整が必要になるので、必ず初期点検を受けてください。

(2)アシスト機能を過信しない。急発進や「けんけん乗り」を避ける。

ペダルを漕ぐ⼒が楽な電動アシスト⾃転⾞ですが、上り坂では平坦な道よりも⼤きな⼒が必要になります。平坦な道と同じ感覚でこぎ出すと、アシストが追いつかず、バランスを崩すおそれがあります。アシスト機能はあくまで補助であり、過信せず慎重な発進を⼼がけましょう。
 また、片足で地面を蹴りながらもう片⽅の足をペダルに乗せて発進する「けんけん乗り」は絶対に避けましょう。必ずサドルに座った状態で安全にこぎ出しましょう。

○過去に発生した事故情報、リコール情報を確認する。

シルバーカー・歩⾏⾞、電動⾞いす及び電動アシスト⾃転⾞の事故の中には、リコールが開始された後に発生したものもあります。「NITE SAFE-Lite」で、リコール情報を検索できます。ぜひご活用ください。

「NITESAFE-Lite」(外部リンク)

NITEでは、9月9⽇に注意喚起として、『敬⽼の⽇、贈ろう“安⼼”〜安全ライドで、笑顔の毎⽇〜』をプレスリリースしています。ぜひご覧ください。

敬老の日、贈ろう”安心”~安全ライドで、笑顔の毎日~(外部リンク)

新作映像資料 シルバーカー「1.段差につまずき転倒」(外部リンク)

製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況(8月3⽇〜8月16⽇受付74件)

NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名 事故状況と件数
1. ⾼圧洗浄機(充電式) 火災等 5件
2. モバイルバッテリー 火災等 4件
3. 電気カミソリ(充電式) 火災等 4件
4. ポータブル電源 火災等 3件
4. 太陽光発電システム用機器 破損等 3件

最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)

最新事故情報(外部リンク)


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