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製品安全情報

自転車の事故

2025年6月2日
独立行政法人 製品評価技術基盤機構
中国支所 TEL:082-211-0411

NITEに集約される製品安全に関する情報

製品評価技術基盤機構(NITE)では、NITEに集約される製品安全に関する情報を製品事故の未然・再発防止の観点から、製品安全情報マガジン(PSマガジン)によってタイムリーに提供しています。

新年度が始まり、通勤や通学手段として新たに自転車に乗り始める人が増える季節になりました。自動車と異なり免許なし、法定点検不要で手軽に利用できる自転車ですが、転倒や衝突をすると、自分自身や周囲の方にも大きなけがを負わせる可能性があります。また、昨年には自転車に関する道路交通法が改正され(※1)、自転車を取り巻く環境が変化しました。今回は、安全に自転車を使用するためのポイントを事故事例と併せてご紹介します。

※1 2024年11月1日から、自転車の危険な運転に新しく罰則が整備されました。詳細は警視庁のホームページを参照ください。

警視庁ホームページ「自転車に関する道路交通法の改正について」(外部リンク)

【事故の実情】

NITEが受け付けた製品事故情報において、2019年から2024年までの6年間に自転車の事故は約500件起きています。そのうちの約8割が重傷事故となっており、また年代別の事故件数では10歳代の事故が目立っています。

【事故事例1】

電動アシスト自転車で走行中、ハンドルが動かなく、転倒、負傷しました。(2024年 神奈川県 10歳代・女性 重傷)

電動アシスト自転車で走行中、ハンドルが動かなく、転倒、負傷

→電動アシスト自転車には、後輪の施錠でハンドルがロックされる機構が搭載されていましたが、ハンドルロックのケースが破損(※2)していた状態で走行した際に突然ハンドルがロックしたものと考えられます。

※2 本件は、リコール対象製品による事故でした。ハンドルロックのケースが破損すると内部のロックレバーが振動等で動いて、意図せずロックが掛かる危険性がありました。 

【事故事例2】

自転車で走行中、前輪がロックし、転倒、右肘を負傷しました。(2022年 京都府 10歳代・男性 重傷)

自転車で走行中、前輪がロックし、転倒、右肘を負傷

→自転車は、前ホークが変形しており内側に擦り傷が認められ、前輪スポークの1本が破断していたことから、走行中に前輪へ何らかの物が巻き込まれたものと考えられます。
袋や傘等を巻き込んで前輪がロックする状況

袋や傘等を巻き込んで前輪がロックする状況

【事故事例3】

自転車(スポーツ車)で走行中、段差を乗り越えたところ、前輪が外れ、転倒し、負傷しました。(2022年 京都府 40歳代・男性 重傷)

クイックレリーズ方式のスポーツ車

→自転車に車輪の外れに至る異常は認められないことから、前輪のクイックレリーズカムレバーによる固定(※3)が不十分であったために前輪の固定力が低下したことで前輪が外れて転倒したものと考えられます。

※3 工具を使わずにホイールを外すことができる自転車前輪の固定機構です。主にロードバイクやクロスバイク、マウンテンバイクなどのスポーツ車に採用されています。

気を付けるポイント

●自転車で気を付ける5つのポイント


①ハンドルにものをぶら下げないようにしましょう。
 ハンドルに買い物袋、かばん、傘(※4)などをぶら下げていると、車輪に巻き込まれてロックし、バランスを崩して転倒するおそれがあります。荷物はハンドルにぶら下げたりせず、かごに入れてください。

※4 自転車の傘差し運転は道路交通法で禁止されています。傘を差して乗らないようにしましょう。道路交通法71条により各都道府県で独自に自転車運転についての交通規則が設けられています。例えば、広島県道路交通法施行細則第10条第4号では、「傘を差す、物を持つ等視野を妨げ、又は安定を失うおそれのある方法で、大型自動二輪車、普通自動二輪車、原動機付自転車又は自転車を運転する」ことについて道路交通違反となり、違反した場合の罰則は、5万円以下の罰金となっています。

②ブレーキの効き具合は必ず確認しましょう。
 ブレーキの効きが甘い状態で走行を続けると、制動不良などによって転倒するおそれがあります。また、自分が転倒するだけでなく、周囲にいる歩行者などと衝突したり巻き込んだりするおそれもあるため、必ず乗車前にブレーキの効きを確認してください。自転車から降りた状態でブレーキレバーを握って車体を前後に動かし、すべりがないかなどを確認してください。ブレーキレバーを握った際に効きが甘かったり、逆に固すぎたりする場合は調整が必要です。ご自身で調整を行うか、自転車技士又は自転車安全整備士のいる店舗に相談してください。

③チェーンの状態を確認しましょう。
 自転車のチェーンは、走行するにつれ徐々に伸びて、たるみが発生します。走行中にチェーンから異音(金属がこすれるような音など)がする場合は、たるんだチェーンがチェーンケースなどに接触しているおそれがあります。また、チェーンが錆びている場合は、劣化が進行したり、脆くなってチェーンが切れたりするおそれがあります。乗車前の点検でチェーンが伸びすぎていないか、錆びていないか確認しましょう。チェーンが伸びていたら、販売店などに相談してください。

④車輪やハンドルまわり、ペダルの緩みやがたつきを確認しましょう。
 乗車前には必ず、車輪やハンドルまわり(ハンドル、ハンドルステム等)、ペダルに緩みやがたつきがないか確認してください。適正なトルクで締め付けられていないと、走行中に車輪やハンドルまわりが緩んでくることがあります。
 また、インターネットで自転車を購入すると、ハンドルやペダル、車輪などが取り付けられていない状態で購入者の元に届くことがあり、その場合は乗車前の最後の組み立ては購入者が行うことになります。特に、スポーツ車の車輪の取り付けには、クイックレリーズ方式が多く採用されており、事例にも挙げたように、クイックレリーズカムレバーの調整が不十分なまま走行して事故に至ったものがあるため、注意が必要です。必ず、取扱説明書等に記載されている正しい方法で車輪を固定してください。

⑤リコール情報を確認しましょう。
 自転車の事故の中には、リコールが開始された後に発生したものもあります。お持ちの製品がリコール対象になっていないか今一度ご確認ください。

「NITE SAFE-Lite」で、リコール情報を検索できます。ぜひご活用ください。

NITE SAFE-Lite(外部リンク)

消費者庁のリコール情報検索サイトでも確認できます。

消費者庁リコール情報検索サイト(外部リンク)

もしリコールの対象となっている製品をお持ちの場合は、不具合が生じていなくても直ちに使用を中止し、お買い求めの販売店や製造・輸入事業者に確認や相談をしてください。そのまま使い続けないようにしてください。

NITEでは、4月24日に注意喚起として『 「車輪への巻き込み」が多発!~安全な自転車ライフを送るために確認すべき5つのポイント~ 』をプレスリリースしています。
今回ご紹介した自転車の事故の詳しい分析結果のほかにも、自転車の点検チェックリストや、自転車に子供を乗せる際に気を付けるポイントなどの情報を掲載しています。ぜひご覧ください。

「車輪への巻き込み」が多発!~安全な自転車ライフを送るために確認すべき5つのポイント~(外部リンク)

新作動画

自転車の傘差し運転は道路交通法で禁止されています。傘をさして乗らないようにしましょう。

製品事故収集情報

消費生活用製品の事故情報収集状況(4月6日~ 4月19日 受付48件)

NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。

製品名 事故状況と件数
1. ACアダプター 破損等 4件
1. 電気ストーブ・ファンヒーター 火災等 4件
2. モバイルバッテリー 火災等 3件
2. スピーカー(充電式) 火災等 3件
2. ノートパソコン 火災等 3件
2. はしご 脚立踏み台(アルミ製)  破損等 3件

最新事故情報(これまでの受付情報もご確認いただけます)

最新事故情報(外部リンク)


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