温活グッズの事故
2025年2月3日
中国支所 TEL:082-211-0411
NITEに集約される製品安全に関する情報
製品評価技術基盤機構(NITE)では、NITEに集約される製品安全に関する情報を製品事故の未然・再発防止の観点から、製品安全情報マガジン(PSマガジン)によってタイムリーに提供しています。
寒さ本番!暖房が欠かせない日が続きますね。この時期に活躍するのが「電気あんか」「カイロ」「電気マット」です。電気ストーブや石油ストーブなどと比べて温度が低く、優しく温めてくれる印象のある製品ですが、正しく扱わないと思いがけない事故を招くおそれがあります。
今回はこれらの暖房用製品について、注意すべきポイントをご紹介します。この冬も事故なく温かく過ごしましょう。

◆電気あんか
朝まで布団の中に入れたまま使用することで低温やけど(※1)を負ったり、電源コードの誤った取扱いが原因で発煙・焼損したりする事故が起きています。
【事故事例1】
電気あんかを使用中、太ももに低温やけどを負いました。(2015年 兵庫県 10歳代男性 重症)

なお、本体表示や取扱説明書には、「低温やけど防止のため、身体から離して使う、腰の下や足に挟んで使用しない、折り曲げて使用しない」旨、記載されていました。
【事故事例2】
電気あんかを使用中、電源コードが焦げて周辺を焼損しました。(2018年 京都府 80歳代男性 拡大被害)

なお、取扱説明書には、「電源コードを傷つけたり、無理に曲げたり引っ張ったりしない。火災の原因になる。」旨、記載されていました。
◆カイロ
体の同じ部分に長時間接触させて使用することから、低温やけどを負う事故が起きています。
【事故事例3】
カイロを使用して就寝中、足に低温やけどを負いました。(2018年 神奈川県 70歳代女性 重症)
◆電気マット
布団の中に入れてやけどを負ったり、ソファーの上に敷いたり、保管時の誤った取扱いなどで、ヒーター線がよれて発煙・焼損したりする事故が起きています。

【事故事例4】
電気マットを布団に入れて使用後、当該製品及び周辺を焼損する火災が発生しました。(2022年 富山県 90歳代男性 拡大被害)
なお、取扱説明書には、「就寝用暖房器具として使用しない。座布団等保温性の良いものを長時間のせない。本体を折り曲げたり、しわの寄った状態で使用しない。」旨、記載されていました。
電気あんかで気を付けるポイント
カイロで気を付けるポイント
電気マットで気を付けるポイント
※1 「低温やけど」とは
温かいと感じる程度の温度でも、長時間にわたって同じところの皮膚に触れていると、皮膚温度が上がり、皮下の細胞組織などが壊死するため「低温やけど」になります。
44℃では3~4時間、46℃では30分~1時間、50℃では2~3分で「低温やけど」になると言われています(※2)。また、熱源に触れた部位が圧迫されていると、より短い時で「低温やけど」になります。

一般的な「やけど」は皮膚の表層のみで起こりますが、「低温やけど」は皮膚の深部にまで及び、皮下組織が壊死する場合があるため、重傷事故に至るおそれがあります。
特に高齢者の場合、若年者に比べて感覚が鈍く、熱源に接する時間が長くなるため、重症化する傾向があります。また、幼児や身体の不自由な方、糖尿病の方が使用する場合は特に注意が必要と言われています。
(出典:山田幸生「低温やけどについて」製品と安全第72号、製品安全協会)
※2 血流や皮膚感覚は個人差が大きく、接触時間によっては、44℃以下でも低温やけどになるおそれがあります。
NITEでは2025年1月14日に注意喚起として、『就寝時の“足元”暖房にご用心!~電気あんか、カイロ、電気マットの取扱いに注意~』をプレスリリースしました。併せてご覧ください。
就寝時の“足元”暖房にご用心!~電気あんか、カイロ、電気マットの取扱いに注意~(外部リンク)
参考映像資料(映像資料:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)
製品事故収集情報
消費生活用製品の事故情報収集状況(12月8日~12月21日 受付77件)
NITEに通知のあった事故情報から、件数の多い製品を掲載します。
製品名 | 事故状況と件数 |
---|---|
1. 照明器具 | 火災等 7件 |
2. 洗面化粧台 | 破損等 5件 |
2. 電動工具用バッテリー | 火災等 5件 |
2. 電気シェーバー | 火災等 5件 |
5. 電動アシスト自転車 | 火災等 4件 |
洗面化粧台は、全てキャビネットが落下したもので同じ事業者の事故です。