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製品安全情報

非純正バッテリーの事故

2024年8月1日
独立行政法人 製品評価技術基盤機構
中国支所 TEL:082-211-0411

NITEに集約される製品安全に関する情報

製品評価技術基盤機構(NITE)では、NITEに集約される製品安全に関する情報を製品事故の未然・再発防止の観点から、製品安全情報マガジン(PSマガジン)によってタイムリーに提供しています。

近年、繰り返し充電して使用できる「リチウムイオン電池搭載製品」は、私たちの生活に欠かせないものとして普及が進んでいます。その一方で、安価で入手しやすい「非純正バッテリー※1」で火災を伴う事故が多く発生しています。バッテリーには可燃性の電解液が含まれており、一度発火すると大きな火災に発展するおそれがあります。

非純正バッテリーは純正品に比べて“低価格”のものも多いですが、これらの中には“高リスク”のものが潜んでいることを認識しましょう。今回は非純正バッテリーの事故について取り上げます。

(※1)機器本体のメーカーとは無関係の事業者から販売されているバッテリーで、機器本体のメーカーが、そのバッテリーの設計や品質-管理に一切関与していないものを「非純正バッテリー」とします。純正品と類似した形状をしており、「互換バッテリー」、「純正充電器対応」などと称して安価で販売されており、リスクの高い製品も含まれます。

【事例1】電動アシスト自転車用バッテリーの事故

ネット通販で購入した電動アシスト自転車用バッテリーを自転車から取り外して充電していたところ、出火し、床を焼損しました。

発火した非純正バッテリーの再現イメージ

(再現イメージ)

→非純正バッテリーの内部で短絡が生じて異常発熱し、焼損したものと考えられます。

【事例2】充電式電動工具用バッテリーの事故

ネット通販で購入した充電式電動工具用バッテリーを購入後初めて充電器で充電していたところ、異音がして出火し周辺を焼損し、使用者が火傷を負いました。

充電式電動後部用非純正バッテリーの発火(再現イメージ)

→非純正バッテリーの保護回路基板(安全保護装置)の設計不良により、充電中のすべてのリチウムイオン電池セルの電圧を検知することができない構造であったため、一部のリチウムイオン電池セルが過充電状態となって異常発熱し、焼損したものと考えられます。

【事例3】充電式掃除機用バッテリーの事故

ネット通販で購入した充電式掃除機用バッテリーを機器に取り付けた状態で保管していたところ、突然作動するとともに出火しました。

充電式掃除機用非純正バッテリーの発火(再現イメージ)

→非純正バッテリーの保護回路基板(安全保護装置)が異常発熱して出火したものと考えられます。なお、リコールが実施されている製品でした。

気をつけるポイント

1.「非純正バッテリー」が抱えるリスクについて理解する。

設計に問題があり、異常発生時に安全装置が作動しない場合がある。

非純正バッテリーの中には、純正バッテリーに比べて安全対策が劣る製品があり、過充電保護装置などの安全保護装置が異常発生時に動かないおそれがあります。

▼過充電保護装置が劣る例
安全対策が適切なバッテリーではすべてのリチウムイオン電池セルが決められた電圧で充電されるよう監視されていますが、安全対策が劣るバッテリーの場合、電圧の監視が部分的になっているものがあり、決められた電圧より高い電圧で充電(過充電)されて発火する危険があります。

品質管理が不十分で、通常の使用であっても事故に至る場合がある。

非純正バッテリーの中には、製造時の品質管理が不十分で、電池内部に異物が混入していたり、電気回路の部品に不良品が使われていたりする製品があります。そういった製品は使用中や充電中に発火事故が発生するおそれがあります。製品によっては充電後にしばらくしてから発火したという事例もあります。

事故発生後に、事業者の対応や補償を受けられない場合がある。

非純正バッテリーを販売した事業者に連絡をしようとしても、電話番号などの記載がないなど消費者から連絡するための情報が不十分であったり、連絡できたとしても、対応を行っていなかったり日本語が通じなかったりする事業者もあります。
また、非純正バッテリーでの事故の場合、機器本体のメーカー側からの対応や補償も受けられないおそれがあります。

2.メーカーからのお知らせ及びリコール情報を確認する。

バッテリーを取り付ける機器本体のメーカーのホームページに非純正品に関する注意喚起が掲載されているか確認をする。

非純正バッテリーの使用について、機器本体のメーカーが注意喚起を行っている場合があります。メーカーのホームページを確認するなどして、事故が発生している製品でないことを確認してください。

使用しているバッテリーがリコール対象ではないか確認する。

リコール対象の非純正バッテリーによる事故も発生しています。リコール対象製品をお持ちの場合は、不具合がなくても直ちに使用を中止し、販売店や製造・輸入事業者に確認や相談をしてください。

参考

NITE SAFE-Lite(外部リンク)

経済産業省 リコール情報(外部リンク)

消費者庁 リコール情報サイト(外部リンク)

NITEでは2024年6月27日に注意喚起として『「低価格・高リスク」の非純正バッテリーに注意~建物が全焼に至った火災も~』をプレスリリースしました。

「低価格・高リスク」の非純正バッテリーに注意~建物が全焼に至った火災も~

その他の事故情報も併せてご参照ください。(映像資料:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)

  

(注意喚起ミニポスター) 

その他の事故事例は、「NITE SAFE-Lite」で「バッテリー」「非純正」等をキーワードに検索していただけます。

事故情報の検索(外部リンク)


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