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製品安全情報

石油ストーブ等の事故

2023年12月1日
独立行政法人 製品評価技術基盤機構
中国支所 TEL:082-211-0411

NITEに集約される製品安全に関する情報

製品評価技術基盤機構(NITE)では、NITEに集約される製品安全に関する情報を製品事故の未然・再発防止の観点から、製品安全情報マガジン(PSマガジン)によってタイムリーに提供しています。

部屋を暖かく快適にしてくれる石油ストーブ及び石油ファンヒーター(以下、石油ストーブ等)ですが、事故が毎年 11 月頃から多く発生しています。
今回は本格稼働目前となるこのタイミングに、石油ストーブ等の事故をご紹介します。

【事例1】手入れ不足による異常燃焼や堆積物への引火

石油ストーブを使用中、石油ストーブから出火して周辺を焼損し、1人が重傷を負いました。

置台を超えて炎が上がっているストーブの様子

→石油ストーブの空気取入口の下に炭化物の堆積があったほか、置台の表面に焦げつきや変色が確認されたことから、置台に堆積したほこり等によって空気の流入が阻害され、吹き返し現象※1が発生し、ほこり等に引火し燃え広がったと考えられます。
 (※1)吸気不足などで炎が空気取入口から逆流して出てくる現象

<油ストーブ等のチェックポイント1>

○ほこりがたまっていたら掃除する。

石油ストーブの置台等にほこりなどが堆積すると、燃焼状態が悪くなったり、炎が逆流してストーブの下からあふれる吹き返し現象が生じてほこりに引火したりするおそれがあります。
また石油ファンヒーターも空気取込口がほこりで閉塞することで異常燃焼が生じる事故が発生しています。使用を始める前に掃除を行い、シーズン中も定期的に掃除をしてください。特に石油スト ーブの置台や、燃焼部位の近くなどにほこりがたまらないようにしてください。

【事例2】ずれた燃焼筒による異常燃焼

石油ストーブを使用中、石油ストーブを焼損し、周辺を汚損する火災が発生しました。

車両内で発火したモバイルバッテリーのイラスト

→燃焼筒がずれて置かれていたことにより異常燃焼が発生し、炎が高く上がったことで事故に至ったものと考えられます。

<石油ストーブ等のチェックポイント2>

○燃焼筒の取り付け状態を確認する。(石油ストーブの場合)

燃焼筒をセットした時や、点火操作後には、燃焼筒のつまみを2~3回ほど左右に回転させて燃焼筒が正しくセットされているか確認してください。
燃焼筒が正しくセットされていないと異常燃焼によって炎があふれて火災が発生するおそれや、一酸化炭素が多く排出されてしまうおそれがあります。

○対震自動消火装置の状態を確認する。

対震自動消火装置が正しく動作することを確認してください。石油ストーブでは、芯の動きが悪くなると対震自動消火装置が作動しても芯が下がりきらず、消火不良となるおそれがあります。確認方法の詳細は取扱説明書を確認してください。

車両内で発火したモバイルバッテリーのイラスト

【事例3】ガソリンの誤給油

石油ストーブを使用中、建物2棟を全焼する火災が発生しました。

不適切な使用により転倒しようとしている洗濯機のイラスト

→給油口のふたの閉め方が不十分であったため、給油後のカートリッジタンクを石油ストーブ本体へ戻す際に給油口のふたが外れて灯油がこぼれ、こぼれた灯油がストーブ天板から燃焼筒にかかって発火し周囲へ拡大したものと考えられます。

<石油ストーブ等のチェックポイント4>

○燃料は新しい灯油を入れる。ガソリンは灯油とは別の場所で保管するなど、誤給油を防ぐための対策を徹底する。

石油ストーブ等には新しい灯油を給油してください。灯油は劣化するため、昨シーズンの燃料を持ち越して使用することは異常燃焼や一酸化炭素の排出を促進させるおそれがあります。
また、誤ってガソリンや混合燃料を給油すると、たとえ少量の混入であっても火 災に至るおそれがあり、大変危険です。

【事例4】給油口のふたの締め付け不良などによりこぼれた灯油に引火石油ストーブを使用中、建物1棟を全焼、2棟を類焼する火災が発生しました。

不適切な使用により転倒しようとしている洗濯機のイラスト

<石油ストーブ等のチェックポイント3>

○給油後は、給油口のふたをしっかりと閉め、灯油がこぼれないことを確認してから本体にセットする。

カートリッジタンクの給油口のふたの閉め方が不十分だったなどで、灯油がこぼれて引火した事例があります。給油後は、給油口のふたがしっかり閉まっていることを必ず確認してから本体にセットしてください。また、給油する際は、必ず先に消火してください。

○安全機能で給油口のふたが閉まっていることを確認する。

石油ストーブをはじめとする石油燃焼機器は、2009 年に消費生活用製品安全法の「特定製品」に指定され、2011 年からは PSCマークの無い製品は販売することができなくなりました。

車両内で発火したモバイルバッテリーのイラスト

【事例5】可燃物の近接

石油ファンヒーターを使用中、建物を全焼する火災が発生し、1名が軽傷を負いました。

不適切な使用により転倒しようとしている洗濯機のイラスト

→石油ファンヒーターの吹き出し口とこたつが近接した位置に設置されていたため、こたつ布団が過熱されて出火したものと考えられます。なお、被害者は視力が弱く、石油ファンヒーターとこたつ布団の間隔がよく見えていませんでした。

<石油ストーブ等のチェックポイント5>

○周囲の物や天井、壁などと十分な距離を確保する。

カートリッジタンクの給油口のふたの閉め方が不十分だったなどで、灯油がこぼれて引火した事例があります。給油後は、給油口のふたがしっかり閉まっていることを必ず確認してから本体にセットしてください。また、給油する際は、必ず先に消火してください。

○安全機能で給油口のふたが閉まっていることを確認する。

石油ストーブ等を使用するときは、壁や周囲の家具、衣類などから指定された距離を とりましょう。カーテンや布団など燃えやすく動くものにも注意が必要です。石油ストーブ等に可燃物が近接していたり接触したりしていると、放射熱※3による過熱や高温部への接触によって、火災になるおそれがあります。
(※3)放射熱とは、高温の物体が発する赤外放射などによって離れたところに伝わる熱。

石油ストーブ等を使用する前の5つのチェックポイント

  • ポイント1 ほこりがたまっていれば取り除く。
  • ポイント2 対震自動消火装置が正しく作動することを確認する。さらに、石油ストーブの場合は、燃焼筒が正しく取り付けられていることを確認する。
  • ポイント3 燃料は新しい灯油を使う。ガソリンや混合燃料、昨シーズンの灯油は使わない。
  • ポイント4 カートリッジタンクの給油口のふたが確実に閉まっていること、漏れがないことを確認する。
  • ポイント5 機器と周囲の壁や可燃物との十分な距離が確保できていることを確認する。

その他の夏に向けて気を付けたい事故の事故情報も併せてご参照ください。

(映像資料:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)

(注意喚起ミニポスター)

(1) 石油ストーブの火災事故を防ぐ5つのチェックポイント
https://www.nite.go.jp/data/000151768.pdf(外部リンク)


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