NITEに集約される製品安全に関する情報
製品評価技術基盤機構(NITE)では、NITEに集約される製品安全に関する情報を製品事故の未然・再発防止の観点から、製品安全情報マガジン(PSマガジン)によってタイムリーに提供しています。
今年も様々なケースの一酸化炭素中毒の事故が起きています。一酸化炭素(CO)は無色透明で無味無臭の気体で極めて毒性が強く、空気中における濃度が0.02%(200ppm)に上昇すると頭痛などが起こり、さらに、濃度が上がると吐き気、めまいなどの中毒症状が進み、最悪の場合、死に至るなど身体に大きな影響を与える物質です。
今回は一酸化炭素中毒の事故をご紹介します。
【事例1】換気扇を回さずにガス給湯器を使用したため、一酸化炭素中毒となった。
換気扇を回さずにガス給湯器を使用したため、換気不良により一酸化炭素が室内に滞留し、一酸化炭素中毒に至ったと考えられる事故で、1名が死亡、1名が軽症を負われました。また、長期間の使用(約34年)によって、ガス給湯器にほこりやすすが詰まり、不完全燃焼が起こったことも事故発生に影響したものと考えられます。
→ なお、取扱説明書及び本体表示には、「換気を行う」、「炎の異常がある場合、販売店又は弊社に相談する」、「定期的に点検を行い、ほこりやすすがたまっていた場合、販売店に相談する」旨、記載されていました。
事故を防ぐポイント
【事例1の注意事項】
給湯器を使用する際は、換気扇を回すか窓を開けるなどして、必ずこまめに換気をしてください。換気が不十分だと室内の酸素が減少し、不完全燃焼による一酸化炭素中毒になるおそれがあります。
また、長期間使用しているとほこりやすすがたまり、空気が十分に供給されないため、不完全燃焼が起き、一酸化炭素中毒になるおそれがあります。
使用中に火が消える、ガスが漏れている(異常な)臭いがする、炎が変色している、すすが付着しているなどの異常が見られた場合は、ガス事業者や製造事業者などに連絡し点検を受けてください。
【事例2の注意事項】
携帯発電機の排ガスには一酸化炭素などの有害物質が含まれています。換気が不十分な場合、一酸化炭素中毒になるおそれがあります。屋内や換気の悪い場所などの排ガスがこもる場所(物置・倉庫、車内、テント内など)では、絶対に使用しないでください。
【事例3の注意事項】
石油ストーブなどの石油房器具を使用する際は、必ずこまめに換気をしてください。また、就寝時には使用せず、寝る前に確実に消火してください。
テント内や車内などでは、石油ストーブなどの石油器具やガスこんろなどのガス器具は使用しないでください。一酸化炭素中毒や酸欠によって窒息し、死亡するおそれがあります。
石油ストーブの置き台や反射板などにたまったほこりは、掃除機で吸い取ったり、柔らかい布などでこまめに拭き取ったりしてください。また、燃焼筒にごみ、ほこりやタールなどが付着していないかを点検し、ごみやほこりなどはふきとり、タールはドライバーの先端やブラシなどで取り除いてください。しんにタールが付着している場合は、“から焼き”※を行うことで除去できる場合があります。
※給油タンクが空の状態で点火し、そのまま灯油がなくなり消火するまで燃焼させる(各製品の取扱説明書の手順に従ってください)。
その他の一酸化炭素中毒の事故の事故情報も併せてご参照ください。
(映像資料:リンク先で動画が視聴できますので是非ご覧下さい)
(注意喚起ミニポスター)
その他の事故事例は、「事故情報の検索」で「一酸化炭素中毒」「CO中毒」等をキーワードに検索していただけます。
https://www.nite.go.jp/jiko/jiko-db/accident/search/(外部リンク)