エッセイ│素敵・発見!マーケティング

2018年度のファッショントレンド!

マーケティングの観点から見て

顔写真

株式会社クリエイティブ・ワイズ
代表取締役
三宅曜子

今年2018年は九星気学でラッキーカラーがパープルやピンクなのだとか。

ローズピンクやラズベリーブルー、そしてゴールドなどもその中に入るのだそうだ。

そんなことを知らない私は昨年12月のクリスマス前にパリに一週間行ってきた。

翌年のトレンドを最も良く打ち出しているのがその時期で、ヨーロッパの人たちは、それを意識した買い物をこの時期に集中して行うため、各有名ブランドはこぞってこの時期に最先端のカラーバリエーションやデザインを出してくる。

それで、どの店舗もデパートも、いたるところパープルとピンク、ラズベリーブルーだったのだ。しかもアクセントがゴールド。それが後で知り合いから聞いて2018年の九星気学でのラッキーカラーということが分かったのだ。

どのようなファッションや身に着けるアイテムが最新トレンドなのかを今回は徹底的に写真を見ていただきながら、マーケティング観点で見てみよう!

今年の春のテーマカラーはパープル&ローズ
パリの代表的なデパート、ギャラリーラファイエット、プランタン、ボンマルシェ。また代表的なブランドであるルイヴィトン、エルメス、グッチ、ディオール、カールラガーフェルド、miumiu、ヴァレンティノのテーマやカラー、デザインが変わった!

どのブランドも若返りを非常に意識したものが多く出ている。

1.カールラガーフェルドのバッグもフェルトのイメージ 2.グッチのバッグも装飾が多い 3.ロエベがカジュアルに変身 4,5.miumiuのスニーカー

バブル時代、日本人もこぞってルイヴィトンやシャネル、グッチなど高級ブランドのバッグや靴、スカーフなどを買いあさった。当時からそれらのバッグなどは、平均20万円~30万円代。靴も5万円代がザラにあった。

御多分に洩れず、当時スタイリストもやっていた私も同じくそれらの商品を持ち歩き、フェンディやディオールの服を着ていた。まだ若い人たちがトレンドというだけでこれらのものを身に着けていたのは、フランス人から見ると『日本人はどうなっているのだろう?』と思われていたが、それを身に着けていなければ、トレンドに取り残されてしまうという危機感がそうさせていたのだ。

ところがその年代の人たちは50歳代から60歳代となり、このようなブランドを身に着けることに飽きてしまった。そして今はマストファッションを意識するようになり、ブランド物はよほど気に入ったものしか購入したいと思わなくなっていった。

時代は変わったが、これらトップブランドの商品も大きく変わっていった。

持っていて重たいバッグや肩に食い込むショルダーバッグ、歩くとすぐに足が痛くなる7㎝のピンヒールの靴。身体を締め付けるボディコンシャスな服。

これらは今のライフスタイルから考えると、とてもヘルシー&ビューティなものとは言えない。できれば着ていて楽で皴にもならず、軽いバッグで量もたくさん入り、肩に食い込まない太めのベルトのショルダーや背負うタイプのデイバッグ。そしてヒールが低く、スニーカーなどでおしゃれなタイプがあればそれがいい。

今の若い人達は小さい頃からそれを意識してきたため、大人になっても、いまさら道路の窪みに挟まるような高いピンヒールの靴は履きたくない。だから最初から手にも触れない。

今年のトレンドアイテムは『楽で、個性的で、楽しくなるもの、しかもバリエーションがきき、自分を前面に出せるスタイル』
バッグは背負うタイプ、靴はスニーカー、ウエアーはアジア、アフリカ!

これらを意識したブランドが打ち出した今年のテーマが、『楽で、個性的で、楽しくなるもの、しかもバリエーションがきき、自分を前面に出せるスタイル』だ。

まずデパートの1階部分のバッグ売り場は、男性、女性共にデイバッグばかり。背負うから両手が空き、とても楽だ。しかもそれに刺繍やパッチワーク、TPOに合わせてマジックテープでそれらを付け替えられるものもある。

ショルダーバッグはベルトに特徴があり、装飾されたベルトは、幅が5~6㎝と広いため、ずれ落ちない。

1.グッチのメンズデイバッグ 2.女性も男性もデイバッグがトレンド 3.ヴィトンのデザインイメージ 4.小さなデイバッグもドレスと合わせて 5.男女とも装飾のあるデイバッグがとても多い(グッチ) 6.ディオール 春のトレンド

デザインはペイントで落書きをしたようなイメージや、着物の柄そっくりなオリエンタル調の刺繍やパッチワーク。まるで日本か中国のような雰囲気が漂う。ヴィトンのバッグのデザインは日本の『だるまさん』が描かれている。

ちょうどデモンストレーションでイラストレーターが日本製のポスカ(水性のペイントマーカー)で、バッグや靴、ポーチなどに描いてくれるのをやっていた。

1.I刺繍やパッチワークで個性的にするコーナー 2.ヴィトンのバッグ 3.日本製のポスカでバッグなどにイラスト

洋服のフロアには、ミシン刺繍をしてくれるブースが常設でできていて、蝶や龍、虎や花などをジーンズやスカート、アウターなどに好みでやってくれるのが各デパートにできていたが、それもデザインソースはアジア。春夏のウエアーはそれにアフリカンも加わり、各ブランドがアジア、アセアン、アフリカで埋まっていた。

1.トレンドウエアーはアジアンチック 2.今年はどのブランドもアジアとアフリカがテーマ 3.新たなGジャン

靴のフロアに行くと、これまでと比べ、さらに顕著な違いが見えている。

ヴィトン、グッチ、エルメス、ジミーチュウ、miumiu、フェラガモなど、靴のトレンドを作っていくブランドがどこもスニーカー中心なのだ。

フォーマルなドレス用サンダルはほんの少しで、圧倒的にスニーカーが売り場を占めている。しかもそのスニーカーには、どれも装飾が施され、個性的で楽しいイメージのモノばかり。ディオールやグッチ、フェンディなどは、ワンピースやスーツにスニーカーを合わせたコーディネートがされていた。

1.ランバンのスニーカー 2.ディオールまでもがスニーカーをメインに 3.フェンディのレディススニーカー 4.好きなパーツを付け替えられるブランドものスニーカー 5.フェラガモのスニーカーはアジアンテイスト

毎年同時期と春の年2回はパリに行き、その年のトレンドを調査しているが、今年はここ最近で最も大きな変化が見られた。

カラーも九星学とは、なんと東洋的なのだろう。どのアイテムもパープルやピンク、オレンジやゴールドが目に付く。男性物もこれらの色をトップスにもってきたり、差し色に使ったりと、カラフルだ。

1.グッチのメンズはタイガー、アジアンテイストが中心 2.ヴィトンのデザインイメージ 3.これが今年風のコーディネイト 4.パリの春のトレンド

2018年はアジア、特に日本や中国に焦点が合わさっているようだ。

毎年“日本人にはちょっと無理かな?”、“金髪で背が高くないと着られないかな?”、“こんなに高いヒールだと、電車の乗り降りがたいへんだろうな”など、日本人はあきらめていたものが、今年はちょっとノスタルジックなデザインやウキウキするカラーが多いため懐かしく、なんだか妙にうれしくなってしまった。

日本にとって、ファッションの世界は明るい年になりそうだ。

※写真は全て筆者撮影。

マーケティングコンサルタントとして、中小企業支援及び指導、商業活性化事業、まちづくり事業等、顧客のニーズを的確に捉えた市場開発とアプローチ手法等、幅広い分野におけるマーケティング全般のアドバイスを全国各地で手掛ける。また、平成19年度より地域資源活用事業の政策審議委員、国会での参考人をはじめ、全国で地域資源を活用した事業推進、農商工連携事業、JAPANブランドプロデューサーなど幅広く活躍中。

  • 経済産業省地域中小企業サポーター
  • 同、伝統的産業工芸品産地プロデューサー
  • 中小企業基盤整備機構経営支援アドバイザー
  • 同、地域ブランドアドバイザー
  • 内閣官房 地域活性化伝道師
  • 同、クールジャパン地域プロデューサー
  • 広島県総合計画審議会委員 他

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経済産業省 中国経済産業局 電子広報誌

ちゅうごく地域ナビ 2018年1月5日掲載

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